細かな雨が草花を濡らしている。静かな雨の火曜日だ。傘を手に自宅を出る。白く染まった今朝の空、鳥たちの飛翔が目立つ。歌でも歌ってやろうか、そう思ったが、道行く人が意外に多い。あきらめて軽快なリズムの鼻歌に変えた。これはこれで困ったものだ。鼻歌のリズムに合わせて、腰や足の動きが止まらない。あちゃー、変態に間違えられそうだ。寸でのところでストップした。理性の勝利だア(自己申告)。


 電車の中で、よく考えることがある。今日とこれから先のことだ。停滞する人生に新味は生まれない。私はいつもそう思ってきた。


 今の職場は障がい者のための就労支援施設だ。友人でもある代表の好意で、約10年近く働いてきた。倒産時、手を差しのべてくれ、小説を書くことに専念させてくれた。経営から解放された私は、1日一作、多い時で二作、驚異的なスピードでたくさんの作品を量産し、電子書籍を立ち上げてきた。同時に出版社時代、お世話になった方々(多大な迷惑をかけた)から、出版を頼まれたことから個人の出版社「満天堂」を興し、南森町を拠点にして、年間5、6点の出版をアマゾンでの販売に限定して行ってきた。


 昨年、早々の時期、出版社としての活動を緩やかに停止していくことを決め、夢の実現に注力するために、出版社への応募を実行しようと考えた。主には、昨年半ばからだが、さらにパワーアップするために(出版を控えたゆえの経済的な問題もあり)、南森町の事務所を引き払うことになった。

 大好きな天満と、ずっと手伝ってくれた方の期待を裏切る結果となり、ずいぶん悩んだが、西宮に居を移すしか術がなかった。


 朝に晩に時間の許す限り、作品制作に挑んでいる。できればもう少し、時間がほしいと願いながら。

 今を変革したい。その思いが最近、強くなっている。雨降る車窓を眺めながら、そんなことを考えている。