オリパラ開催の是非が取り沙汰され、多くの世論が開催を危惧する中で、緊急事態宣言のさらなる延長が今日、正式に発表された。普通なら誰もが中止と考えるような異常事態だというのに、議論の余地なく、来来月に迫ったオリパラになりふり構わず政府は突進しようとしている。しかも有観客を考えているという噂まで出ているのだから狂っているとしか言いようがない。


 安心安全の科学的根拠も示されず、首相は壊れたテープレコーダーのようにその言葉を繰り返すのみ。昨日の会見でもわかるように、我が国の首相は、自身の確たる考えを持たず、それだけでなく、すべてを他人事にして言質を取られないよう、我が身大事といった様子が伺われる。情けないリーダーだ。官僚の作文を棒読みするのもそのせいだろう。

 

 オリパラ開催を反対する世論には反対するだけの根拠がある。オリパラによる感染拡大、その後の危機的状況を考えているからだ。オリパラを開催しなければならない理由も今は薮の中だ。福島復興のかけ声も潰え、人類がコロナに勝った証というかけ声も今は虚しい。アスリートファーストの声もまた空しく響く。だからだろう、かけ声を失った首相は、今ではもう根拠のない安全安心を繰り返すのみだ。


 一年間、コロナと向き合って、どうにもできなかった政府に、オリパラが安心安全に開催できるとは、とても思えない。そんな政府に私たちは生命を預けているのだ。恐怖しかない。