かすかな雨の足跡を残して、ホームから眺める土手の草が揺れている。川面もまた、増量した水を海へと急ぎ足で送っている。川を跨ぐ乗り換え駅のホームは湿気が高く、そよぐ風がたちこもる湿気に追い付かない。タオル地のハンカチで汗を拭きながらいつものように電車を待っている。気だるい空気に包まれた月曜日の朝、図書館で借りた本を読みながら、しばし、梅雨時の蒸し暑さを忘却する。

 月半ばの今日もまた、私の忙しい日常は変わらない。午前中、事務所で原稿を書き、午後から私用で人に会うため、休暇をいただいている。
 原稿を書くことも人に会うことも、事務所で利用者の対応に励むことも、どれもが私にとって重要なことで、どれ一つとして、気を抜いていいものはない。
 時間を大切に、人を大切にして、今日という日を大事に過ごしたい。