わたしは普段、障がい者施設で
理学療法士として働いています。
リハビリをするお仕事です。

ある患者さん(Aさん)のお話です。

70代の男性、笑顔が素敵な方で

後天的に、視覚と聴覚をほぼ失い
(お話はできますが聴こえません)

お身体もいろいろな障害をあわせもち
自力で寝返りをすることも難しいです。

リハビリでは
関節可動域がこれ以上制限されないように。
少しでも楽に呼吸ができるように。
残っている機能を少しでも維持できるように。

などのように
現状を維持、少しでも改善させるような
メニューを実施しています。

コミュニケーションは、
Aさんのお胸のあたりに
筆談のような感じで
伝えたい単語を書いておこなっています

今日リハビリが終わって
お布団をお直ししているときに

「あなたいつもの人だよね。」
と声をかけられました。

「これまで何人かの人に
リハビリをしてもらってきたけど、
あなたが一番上手。

すごく丁寧なんだけど触ってほしいところに
しっかり入ってくる感じで。
すごく良いの。

いつもありがとう。
これからもお願いできる?」と。

思わず心の中でガッツポーズしました。

じんわりとこみあげてくるものがあって。。
もちろんとても嬉しくて。

Aさんのように
視覚や聴覚などが障害されていると
残された感覚である
触覚などが研ぎ澄まされやすいです。

視覚や聴覚情報がない中で

人に触れられるということ。

触れているときはもちろん
Aさんに触れていない瞬間も

どうしたら安心感を与えられるか

心地よいだろうか

など自分もいつも以上に
意識していたことに気づきました。

それと同時によりいっそう
丁寧に触れてリハビリをさせて頂こう、

と気が引き締まりました。

帰りぎわ、Aさんから
「あ!良かったら部屋の引き出しに
おせんべい🍘があるから持っていって!
歌舞伎揚げ、知ってる?☺️」

との一言に、
ほっこりさせてもらいました。