さて、今月2日に出かけた赤平のイベントで預かってきたセドリックの時計の修理ネタです。

実際には、遠慮するHさんの声を無視して半ば強制的に運転席足元に潜り込み、メーターを外して時計を摘出してきました。


時計の風防にあたるカバー

細かい傷で真っ白。

中がほとんど見えません。



6月2日のイベントから帰ってきた日のうちに作業開始です。

これだけ白いと、動いていたとしても嫌になりますよね。

レンズを外して研磨します。


コンパウンド3種類を使い、段々と粒子を後細かくして手磨き&バフ掛けしました。

大体綺麗になりました。

中央のノブの付け根は磨けませんでした。無理に磨いてレンズを破産したら元も子もないですからね。

しかし、磨いてみるとあちこちにクラックが入っており、特にネジ穴周辺が酷い。ネジを締め込みすぎたのが原因です。

中央のクラックは、時刻合わせのノブを強く押し込み過ぎて破損したようです。


一度もメーター外してない車両かと思ったんですが、過去に時計も触られてますね。



その翌日、いよいよメカ部分の修理です。



先ずは、本体にパーツクリーナーを噴射して、古いオイルや汚れを洗浄します。


そして、じっくり観察すると




抵抗が

真っ黒。

抵抗を外してテスターで調べてみると、一応生きてるようです。


因みに

上の2つが私の予備部品。

下の黒焦げが今回の摘出品。


上から

400Ω

300Ω

黒焦げ


黒焦げを

テスターで測ってみると、予備部品の400Ωとほぼ同じ値でした。

しかし、400Ωの抵抗を取り付けて通電しても時計が動きません。

モーターを歯車から外して通電すると、少しトルクが低いようです。

モーターの移植も考えましたが、


取り敢えず300Ωに付け替えて

通電すると、無事に動き出しました。


作業途中の様子。

予備の時計や部品を引っ張り出してきて、ゴチャゴチャしてます。


それにしても、私の老眼が酷くなってきて、明るさが足りないと見にくい。

こんな感じで手元を明るくして作業してました。


そうそう、各所に給油しないといけません。

いつも使ってるミシン油。

時計用のオイルなんて、使ったことないです。


ミシン油を爪楊枝に1滴ずつ垂らし

テンプや脱進機を中心に軸受け部分に油を挿します。


その後、テッシュのこよりで余分な油を吸い出します。


ケースに戻して、バッテリーに繋ぎ

あとは歩度調整です。


通電から2日間ほどは歩度調整しながら様子を見てたんですが、その後、朝起きたら止まってました、、、、。


やはり、モーターのトルク不足のようです。

モーターの移植を考えましたが、最後の手段として

抵抗を外して、禁断の直結です。


通電してみると、作動音が大きくなりました。

元々、静かな時計だなと思ってたんですが、テンプがしったりと振れてなかったようです。


その後、4日間ほど連続して通電テストしましたが、丸2日での差1分以内に収まってます。


それから1週間ほど稼働させたところで再び時計が止まってしまいました💦


バッテリーを繋ぎ直しても数時間で止まります。

モーターの寿命か?と思い


モーターをギヤから外した状態で配線してみると

動きません。


よくよく調べたら、バッテリーが5V程しかなく、放電してました、、、、


と、言うことで、

バッテリーを充電しながら可動テストを続行します。


今日までトータル24日間通電テストをして、4日間で誤差1分以内に収まってます。


ただし、スクーター用の古いバッテリーを使ってるので、途中充電しながらの可動テストでした。

どうしてもバッテリーの電圧が上下してしまうので、

今日からは


バッテリーから切り離して充電器から直接通電して安定電源で最後の調整に入りました。


今週末の富良野のイベントで、オーナーさんの車に戻して作業完了の予定です。