昨夜泊まったゲストハウス

建物が被災しながらも、営業してくれたおかげで、奥能登に来る事ができた。

ここ以外に珠洲で一般に泊まれる宿は無いかもしれない。

宿があるのは狼煙(のろし)という、半島の先端

今日はこどもの日。

一年前の今日、珠洲で震度6強の地震があった。地元の人は珠洲地震と読んでいるらしい。

3日目はここからスタート


珠洲の寺家という地区。目の前が海で、ここも津波被害があった。

本堂が全壊


隆起した海岸


その後、前日にも行った津波被害のあった鵜飼地区へ。

全壊の寺院を訪問

寺は手付かずだが、少しずつ片付けをしている。


前日に訪れた別の寺院。今日も留守だった。

歴史のある巨大な本堂は壊滅的。建っているのがやっとの状況。



本堂の裏の墓地は砂地の地盤が動き、真っ直ぐに建っている墓石は皆無であった。


道路を塞ぐ家屋。

至る所がこの状態。


その後、輪島市を訪れた。

輪島朝市

火災のあと、錆びた鉄とコンクリートの瓦礫のまま


何とか火災を免れた寺院

ここも全壊。


午前中に訪れたお世話になった住職のお寺


境内に100メートルに渡り大きな亀裂


この時住職は留守だったが、寺にいた門徒さんの墓が倒壊してお骨が露出している。

寺にあったブルーシートを使って養生を手伝った。


立派だった鐘楼は全壊

屋根の部分は住職家族で撤去して、木材は境内で燃やしたとの事。


時間を置いて電話してから再訪。

住職が待っていてくれた。

外観からは大丈夫に見えた本堂だが、本尊の安置してある所は、数百キロある構造材が3本、天井を破って落下している。

隙間から空が見える。

専門家に見てもらったところ、鉄骨補強で何とか修復出来るそうで、少し安心した。


お見舞いに訪れたのに、自作のお汁、漬物、お弁当でもてなしてもらった。

輪島塗のお椀で頂く。

暫くお話を伺って、固い握手をし寺を後にした。


途中、至るところが崩落している。

ここは山の頂上からの土砂崩れで民家を飲み込んでいる。



輪島の海岸


白く見える部分が隆起した海底。


一昨日ニュースになっていた、海岸の道路

崩落した道を、海側に迂回。


隆起した、もと海底部分にアスファルトが敷設してある。


観光名所だった、白米の千枚田

水が張っていない田んぼは地割れのある箇所。


今日は中能登の羽咋市まで戻ってきてホテルに宿泊。


輪島の道の駅で、輪島塗のお椀を買った。

17年前に、能登を離れる時にも記念に欲しかった輪島塗。当時は高くて手が出なかった。

輪島塗は100を超える工程があり、完全分業のため、職人が一人でもかけると作れない。

別の工房では、塗りの職人が加賀に避難していて作る事ができないそう。

輪島市内で今、輪島塗が買えるのはその工房と道の駅の2箇所だけ。

35年前には3000人の職人がいたが、既に半数を下回っている。この地震でどれだけの工房が再開できるのか。


今回、復興支援として大枚をはたいて汁椀を手に入れる事ができた。これから生涯大事に使わせて貰う。