storm! | 「えっ、ソフトバレー?」

storm!


gsahgahjk


人生は嵐の連続だ。



風が吹き荒れ、雨が打ちつける・・・






勤勉も、怠惰も、


苦痛も、快楽も、


悲哀も、歓喜も、




その前では一寸の意味も成さない・・・






無差別に繰り広げられる美しい破壊に、


ただ、固唾を飲むだけだ・・・






毬が力を帯びて強く跳ねるように、


ゆっくりとそれに抗う。



その行為が無意味と知りつつも、抗う。



そして、


愚か者の淵へと、


人はいざなわわれる・・・






しかし、

人生を無駄に浪費させる、突然の嵐は、


人によっては時に、人生という名の畑に豊穣な実りを、



強く約束する場合がある。










あのですね、そこの奥さん。






この間ね、




日曜日、起きぬけに 奥さんに、



「ハイ、あんたの夏祭りは終わりだよっ!


さ、行くよ。息子のところへ・・・


息子という名の、功名が辻に・・・」




という事で、数分後には息子がキャンプしている小学校のグラウンドで


ラジオ体操している、オレと嫁はん。







つー事で、昨夜から上の息子は、学校のキャンプ研修で、


グラウンドに無理やり立てたテントで、


ワンダフルな一夜を既におくっていたんすわ・・・




その2日目という協奏曲第二章 ~朝飯にはトン汁を作ろう~に


いつの間にか、いつの間にかに、参加させられてるアタイが、いるんすよーーー!






ま、しかしこれは、厳密に言えば、取材。



編集者として、取材。




実はうちの奥さん、今年はPTA新聞の編集に携わっているんすわ。


その取材を兼ねての、潜入とあいなったんすわ。





で、アタイが以前酔った勢いかなんかで、



「あぁ、お前が編集者になるなら、オレが後ろで居よう。


そして、サラハ砂漠の中でオアシスを見つける・・・それは旅に似ている。



見た事もないものを、ひたすらに折り目正しく追い続ける。



それは美しさの具現化だと思います。


その後姿に、人は菩薩を観るんです。 ええ、確かに観るんです・・・


君はただ、写真を撮ればいい・・・


構成と記事はオレに、まかせておいてくれ・・・


報酬は、ミルキー。しかも包み紙がベタベタしてないやつで・・・」



などと、こいたらしく、その末の、同行取材だったんですわ。





ひとしきり、写真を撮ると、何かこの新聞の中でエッセンスになるようなものが


欲しいじゃない、ケニアの高級官僚のような感じでさ・・・




と思っちゃって、


ジャーナリズム精神丸出しで、


キョロキョロしていると、



一人さぁ、抜群のリーダーシップで、



メチャメチャ小学生を、敏腕プロデューサーばりに、



仕切ってる女性がいるわけ・・・女性?



女性つーか、女の子なんよ。



パッと見、小六ぐらいの・・・








で、どうやらこういったキャンプにボランティアで色々教えている


子らしくて、思い切って話しかけてみたんすわ・・・




確実に中2ぐらいに見えたんだが、


「高校生?」なんてたずねたら、


「ハイ。何年生に見えます?」との切り返し・・・



「高2?」


と聞くと、「高3なんです。よく小学生とか中学生とかに間違えられるんです。アハッ」


などと、くったくなく喋るんすわ。





で色々話してると、近くにすんでて、こういった小学校のリーダー研修とか、


キャンプに参加して、小学生にいろんな事を教えてるらしいんすわ。



で、ひとしきりお話して、


『まぁ、こういった歳の子と話すのも中々ないわな・・・』という事で、


少し踏み込んだ質問を・・・



「あなたの興味のある事はなんですか?」



と言うと、



少し恥ずかしそうに、



「ジャニーズです。」と、優等生的な答えが・・・



と、なるとアタイもスパークせずに、いられません! おられません!





「えっ、どのグループが好きなの?」と聞くと・・・



「嵐です。しかも二宮君です!」


と、何かを決断したような顔で返答・・・




そこで、嫁ハンが横から


「えっ、嵐って何人組みなの?」と、ナイスな質問を・・・




「五人組ですよー!」


と、さも当たり前の常識ですよ、的な声色で答える、ジャニオタ・・・







「・・・でも、昔は6人組だったんだよな。」



と、アタイが言うと、顔を強張らせるジャニーオタ。






『そんなハナシ、聞いたことねーよ。』みたいな表情を尻目に、






アタイから放たれる矢・・・




「いやー、合宿所の冷蔵庫のトシちゃんのイチゴ牛乳を


勝手に飲んだ時は、怒られたなぁ・・・」


という、超お約束のジャニーズ列伝を発射すると、


このジャニオタ、な・に・か  を感じ取ったらしく、


ニヤつきながら、




ジャニオタ「て、事は 嵐の 6番目のメンバーって、ひょっとして


31sofvaさん、みたいな・・・!?」



アタイ「分かりますぅ?  いや正確には アタイがいた時は、


『嵐』じゃなくって、平仮名で『あらし』だったんですけどね・・・アハッ」




そして揃って「アハハハハハッッッッ」と突き抜ける青空に向かって笑う二人・・・











確実に共有した、ふたりの時間・・・



世代越え、性別を越え、ひとつの話題に究極のバリアフリーを


体現し、成し遂げた時間は、二人に柔らかに充実した満腹感を


享受せしめ、その時間が終わらぬ様、いつまでも後ろ髪をひかれ続ける


のでありました・・・





「女子高生やめて、こっちの世界に来ないか?」


と、もう少しで言いそうになるのをこらえ、


また、子供たちの輪の中に煌きながらにうずまってゆく


ジャニオタの背中に、


いいよう名の無い寂寞の思いを感じながら見つめていると、



「アギャ!!!!」


と、臀部をしこたま蹴り上げられるアタイ・・・





「ははっ。エライ女子高生と楽しそうに話っしょったのー。


なんや、ピチピチか? ピチピチがえんか?


ワシも、ホラ ピチピチじゃが、ホラッ、ホラーーーーッッッッ!」




と、己の二の腕をまくりながら、ピチTばりのアグレッシヴな


上腕二頭筋を差し出し、オーバーザ・トップしてくる嫁ハン・・・




過ぎ行く晩夏に、嵐が抜き荒れた、


日曜日の朝でした・・・




出来上がったトン汁は、少し塩辛かった・・・



storm! ~完~