Again 1 | 「えっ、ソフトバレー?」

Again 1


「お花見しようよ。日曜日に。んで、みんなで楽しもうよ。」

と何週間前に嬉々として提案してくる同僚W。

その日は地区の作業があり、それが終了次第の参加になる事、

鉄板で、良くても終了10分前に駆け込めればと思っていた・・・

で、日曜日の数日前、「バーベQセット貸してよ」と、同僚W・・・

「何に使うの?」と聞くと、

びっくりしたプレーリーキャットのような目をして、

「肉焼くに決まってるじゃないですかー。花見ですよ?

肉+花見=宴じゃないですか。ジャック・ニコルソン主演の

映画で確かそんなタイトルの映画ありましたよねー。

確か、寝過ごしたニワトリ役で・・・

いいきゃら、とっとと貸せやー!」

と、咆哮・・・

全然洗ってなくて、汚かったので貸したくなかったが、

あまりに同僚Wの瞳がミルキーウェイに散りばめられた星のように

輝きを放散しており、結局家からそのまま会社に持ってきたんすわ。

すると、前日の夕方、そのバーベQセットを会場に運ぶ担当の

後輩同僚MからTEL。

「オレぶっちゃけ、こんなキタネーの車に乗せたくないんすけど・・・」と

信じられないような言葉を浴びせかけられる、アタイ・・・

何故、一回り以上年下の小坊主になんの屈託も無く、

そんな言葉を投げつけられなければならないのかと、

2秒くらい激しく自問したが、

帰宅後、焼きそばUFOのカップに、マヨネーズを心行くまで

ぶっかける事で、己に折り合いをつけ、

マリア様のような口調で、

「それは分解できるから。足を外して、何かのダンボールに

入れたら、大丈夫だと思うよ。」と優しく返答・・・

そして当日、PM5:00すぎても作業が終わらず、

たまりかねたのか、同僚WよりTELあり・・・

着信履歴に、TELすると、

「ワ゛ーーーーーッ!」

開口一番、コレっすわ・・・

完璧にバッドな方の酔い方ですわ。

行くのを本気でやめようかと思ったわ・・・

そしてすぐに、冷静さを装った口調で、「まだなのか?」と・・・

良い子のみんななら、分かるよね。

この男は、開口一番放った叫びに対して、既に照れているんすわ・・・

「お酒に酔って、馬鹿みたいに叫ぶ男じゃない」と、本気と書いてマブで

思ってるこの男。実は、30歳を過ぎたあたりから、

酔うと、みんなの肩を抱いて左右に上半身を往復させてみたり、

みんなのファーストネームを突然、天に向かって叫んだり、

普段なら絶対言わない、B級ギャグを言い放ち、

笑わなかったら、笑うまでリフレイン。

それでも笑わなかったら、食後のデザートのような微笑を浮かべ、

ヘッドロック・・・

中3かよ。

で、会場に着き同僚Wに場所を確認、

するとアタイを見つけたWが、

「31sofva~!」









と予定通り、絶叫・・・


そんな予定調和に嬉しくなりつつも、


近寄っていくと、



今度は助走をつけて、足のつま先で、


アタイの臀部に、キック。


思わず、「キャヒン」と屠殺前の豚のような悲鳴を


あげるアタイ・・・



かと思えば、「酔って、つま先でキックするような男ではない。」と、


信じて疑わない自分の犯した行動に速攻で照れるこの男・・・


「ねぇ、お腹減ったでしょ。肉焼いてあげるね。ドキドキ


と速攻で、それをプラマイ=ゼロにする行動に・・・



しかし、焼いていたのは、既に炭化して焼け焦げた


ビーフジャーキーのような肉で、それを温め直している


だけだった・・・



それを満面の笑みで、アタイの器に叩き込むと、


今度は、アタイが頭に巻いていたタオルがお気に召したのか、


それを奪おうと、ヘッドロック・・・




無事、アタイからタオルを奪取すると、


ハッ!と、我に返り、缶ビールを飲んでたアタイに、


「な、生ビールの方がいいよね。美味しいよねっ!」



と、生ビールを注いでくれる同僚W。


しかし、既に生樽が空っぽで、

出なかったんだが、


新品の樽を持ってきて、「これつなげようよ。」と、発奮。



で、みんなが、


「そんなの今更開けたって、飲めないし無駄だよ~、やめときなよ~」


という言葉に対して、


「なんとかするきゃら。」



と、答えになってない答えで、問題解決・・・




すると、今度は夕刻になり寒くなってきたみんなが、取り囲んでいる


バーベQセットの輪の中に入り、


みんなの肩を抱き、左右に上半身を往復開始・・・(よっ、待ってました!)



これ以上楽しい事はないという100点スマイルで、左右に往復運動。



「こいつら、みんなサイコーっす! 大好きっす! しかもパリ経由で・・・」


という吹き出しを入れたくなるが如く、右へ左へ往復運動。



「ランランラッラ~」とV6の『輪になって踊ろう』の間奏が聴こえて来るが如く、


ライトへ、レフトへ往復運動・・・




そして当たり前のように、



同僚Wの首からぶら下がった、アタイのタオルが


静かに左右にリズムを刻み、揺れていた・・・







そして、宴は狂気の後半へ・・・