その1
君たちの町に、汚ったない店だが、自分が物心ついた頃から
ずっとやってるような、中華料理屋とか焼肉屋、ない?
アタイの街、そしてアタイ自身にはそんな店が七つあるの・・・
そんな身近な7不思議を、これから一つずつ、
検証してゆこうと思うわけ。
第一弾が「今時サンプルショーケースのあるロードサイドの大衆中華屋S」です。
何故突然そんな事をはじめようかと思ったのは、
「もっと自分の街を深く知りたい!」
という鮮やかな郷土愛ではなく、
ひとつの前のBlogから続いているから・・・
つまり、泥酔した勢いのまま、突入したワケ・・・
いいちこのせいです。
暖簾をくぐると、思ったより店内は広く、右手にカウンターとテーブル席、
左は小上がり。
メニューはオーソドックスな大衆中華。
50代とおぼしきオーナーご夫婦が、
それぞれ調理とホールを切り盛りしているという感じ・・・
まず瓶ビールを注文すると、
当たり前のように付いてきた、
何故か、殻付き落花生・・・
そんな細やかな嬉しい不意打ちが、こんな怪しい店構えを成立させている、
素敵な要因のひとつだと、誰よりも早く察知・・・
子供達のオーダーしたラーメンは1杯\300という、涙ものの価格設定。
餃子は皮の厚みが好みじゃないが、及第点・・・
「肉団子の甘酢あんかけ」は、なんだか手造りの素朴さ感じる
家庭的? な、テイスト・・・
海老チャーハンは予想を反して、でかい海老が頂に鎮座するという、
煌きの意外性を発揮・・・
子づれでも入りやすく、普通の街でダイナミックに大衆中華の粋を、
思う存分体感出来る、食のアミューズメントスペースがココ。
寡黙な店主が目の前で中華鍋を、
若いときに抱いた志より高く振れば、
店内のライヴ感は一気に、最高潮へ・・・
作られたホンモノ感ではなく、紛う事なきクールリアリティ・・・
マダムの見事な、距離感を保ちつつ放つ、大人のホスピタリティ・・・
でも、もう家族を連れてくる事はないだろう・・・
ここは、聖域。
男の聖域と、見た・・・
男なら、いや漢なら、
いつかこのカウンターで、ひとりスポーツ新聞を読みながら、
瓶ビールとレバニラを食したいだろう・・・
食し、 たいんだろう?
寡黙な主人と対峙し、
マダムの柔らかな心遣いに、胸の奥底で泣き濡れ、
大人になった事をゆっくりと自覚させる、
心の成人式がココには確かに、ある・・・


