騒がしい週末・・・~後編~ | 「えっ、ソフトバレー?」

騒がしい週末・・・~後編~

「はよ、起きて息子の朝飯つくれよっ!」



朝っぱらから、そんな捨てゼリフで、ヨメはんに叩き起こされるオレ・・・


「何だよ、朝飯作るって・・・」


(ハッ、と気がついた。そういえば今日はオレが息子の朝飯を

作り、バザーなどの役員で忙しいヨメはんに対して

万全のフォローをしなければならなかった事を・・・)


ウインナーや目玉焼き、それにごはんをよそっていたら、

フト後ろを振り返ると、己の魂と等価交換する勢いで

甘い菓子パンをがっついている男(長男)を、発見!発見!!発見!!!!!!


「日本人として白米だろっ、このアメリカ野郎っ!」

などと言うと、まるでハリウッド映画の子役のような表情で、


「パパ、今度の週末のサッカーの試合はお仕事で見に来られないんだよね。

この甘いチョコレートコルネって、僕が初めてシュートを決めた時、

パパが買ってくれた想い出の味なんだよね・・・」


などと言わんばかりの上目遣いで、更にがっつく長男・・・


呆れ果てていると、今度はヨメはんが着替えてオレの前に登場。


「どう?」と言われ、

「普通やで・・・」と返すと、


5分後、違う衣装を身にまとい再び降臨・・・


「今度は、どう?」


つーか、何でツーポーズ目なんだYO!

たかだか、小学校のバザーに服装もへったくれもないだろっ!


オマエは何処に行きたいんだ?

そして、何処を目指し、何になろうとしているんだYO! と、

真顔で問い詰めたかったが、そんな事を言うと、更に

スリーポーズ目をキメて、オレの前に登場しそうだったので

仕方なく、

「キャメロン・ディアスをトンコツ風味にして、代え玉を2回したみたい・・」


と、返しておきました。



そして、学校に行くと既にバザー会場がセッティングされており、

オレの担当である焼きそばコーナーが、3つあるテントのド真ん中に

焼きそば用の鉄板が静かに鎮座していた・・・


まさに、舞台だった・・・

衆目の視線というスポットライトをボディ全身に一斉に浴びながら、

焼きそばを焼くオレの姿が、余裕で想像できた・・・


実を言うと、この焼きそばの調理は、本来ならPTAの実行委員がやるべき

仕事なんだが、焼ける人がいないから、という理由で、同じバレー仲間の

Y奥さんから依頼された仕事だった・・・


Y奥さんが、「お願い、このとーり! 素敵なトッピングもつけるからっ!」

と懇願され、年上でもあるY奥さんのお願い事を断るワケにもいかず

快諾したんだが、トッピングの意味が分からなかった・・・

しかし、会場入りして用意をしていると、「宜しくお願いしま~す」と

若いお母さん方が3人オレに挨拶して来るんだわ・・・


ふと、隣のたこ焼きブースにいるY奥さんを見ると、オレに

ウインクを送ってきた・・・

そう、トッピングとは焼きそばフォロースタッフとして、

【若いきれいどころの幼稚園のお母さん付き】という事だったのだ・・・


オレは思わず親指をY奥さんに向かって立てて、声に出さずにこう言っていた。


「Good Job !」


しかしいるんだな、優しい悪魔って・・・




そしていざ本番が始まると、オレのコテさばきに、若いお母さん一号が、

「えっ!?業者の方なんですか・・・・?」などという言葉を浴びせてくるん

だわ・・・


すかさず、

「いえちょっと昔の表現で言うと、パンピー。そう一般ピープルですよ、ウフッ。」


一号「ウッソー、プロみた~い!」


すると今度は間髪入れずにショートカットの二号が、

「て、言う事は~ おうちでもお料理とかなさる? ・・・みたいな~(語尾上げる)」


「まぁ、嫌いじゃ  (ひと間置き・・・)  ないですケドね・・・ウフッ」

と、チョイモテオヤジも真っ青なセリフを吐いてるボクがいるんすよ。


するとその瞬間、一号、二号、三号の【若妻お母さん三人組】が一緒に、

「スッ、テキ~~~~~~~~~ん」と、一斉に身をよじるんですよ。


するとオレも気がつくと、激しくコテをそのブ厚い鉄板に打ち付けたり、

焼きそばソースを超上下にさせるなどして、アクロバティックな要素を

追加投入などして、お調子をコイてるんすわ・・・


今気がついたけど、バカですよ、オレって・・・



まぁ、そんな事をしてるとお客も来だして超忙しくなり、一心不乱に

目もくれず、焼いていたんだが、その時、時代が動いたね。


「スミマセ~ン、遅れちゃいました~」などと、南国のリゾート地で

じゃれ合うバカップルのような声で、

これまた臨時ボーナスのように、若いお母さん4号登場!




パッと4号に視線をパーンさせると、オレの感情がダムが決壊するような

シーンを描き出していた・・・


まるで、「えっ!? 高校生?」と言ってしまいたくなるようなそのフォルム・・・


オレはロリータコンプレックスじゃないが、150cm位のボディに肩までの

ストレートの黒髪・・・

黒目がちなその瞳と、それに見事に反比例するような白い肌・・・

そしてその透き通るような肌と、まるで輪唱するかのように、

薄く透明感のあるピンク色に光る唇・・・


制服を着せると、確実に純度100%の女子高生が出来上がる気がした・・・



ホワ~ンとした気持ちで彼女を見つめていると、突然肩をポンポンと叩かれ、

後ろを振り向くとバザー会場にいるハズのヨメはんが・・・


反射的に、「あっ、すんません」と言ってしまい、ブース内をチラッと見て

全てを悟ったかのように、オレのケツをダウンタウンの浜ちゃんのように

ヒザで蹴りあげ、スタスタ体育館の方へ戻っていた・・・


怖いと思った。




それは由として、オレはその、【奥さん】という言葉と、【女子高生】という

言葉の織り成す激しいギャップが、オレの前頭葉で素敵な化学反応をおこし、

鶴見辰吾と伊藤麻衣子主演の名作ドラマ、『高校生夫婦』という

キーワードを弾き出している頃には、ブース全体を仕切る神になろうと

決心していた・・・


オレの50cmぐらい横でボケーっと、つっ立ってる町会議員の息子に、

「今からオレの全ての技を伝授する。立て・・・」と、鉄板の前に

無理やり立たせ、

「コテ遣いが、荒ーーーーーーーーーーーーーーーーーいっ!

返しは、カンガルーの赤ちゃんを抱きあげるようにっ!」とか、


「失敗は成功の母。一回ぐらいでめげてちゃダメだYO!

今年は、勝負の年なんだろっ!

出来る、出来る、出来るーーーーーーーーーーーっ!」とか

名門女子バレー部の鬼監督のように指導なんか始めちゃう始末でさ、


小学校の同級生(女)から、

「コレうちの旦那。よろしく~」などと紹介されると、オレの眼前に

一昔前の男前テイストの、明らかにオレより年上の旦那が

立ってるワケですよ・・・

すると、その旦那に対しては、

「YOUは、焼きそばとか詰めちゃいなよ。」などと、ステキ人事を敢行・・・


呆然とした表情で、黙々と焼きそばを詰める男前・・・



オレはそんな3丁目の夕陽のような光景を見ながら、

まんざらでもない表情を浮かべていると、突如、腰に

元ラグビー全日本代表の大八木にタックルを受けた

かのように、重く鈍い痛みを感じた・・・


それは中途半端に低い位置にセッティングされた鉄板で、

無理な体勢で、合計150玉以上の焼きそばを

焼きあげた事に由来する、腰痛であった・・・



そして帰宅後、腰痛を癒そうと風呂に入ると、入浴5秒で、疲れと

プリティ寝不足でウトウトしはじめるハメに・・・


そしてなんとか風呂から上がり、ビデオに撮っていたグラチャンバレーを

観ていると、また睡魔が・・・


「すると、寝るんじゃないわよっ!このスケベ野郎!」と、ヨメはんから、

アメリカ軍の捕虜になったような勢いで、怒鳴られる始末・・

罰ゲームかよ、コレは・・・



以後、ウトウトと嫁の罵声、それが4時ぐらいから10時前くらいまで

繰り返され、ようやく、寝かせてもらいました・・・


まるで、嵐が通り過ぎたような土曜の夜から日曜の夜でした。



長文どうも、すんません・・・