フランスのやうに・・・
午後3時過ぎだっただろうか・・・
昼のバイパスをレモンティをすすりながら車を運転していた・・・
地元のFM局からは、しきりにテンポの悪いDJが、語尾を伸ばしまくる
口調でしゃべっている・・・
スピーカーからエアロスミスの曲がかかると同時に僕は、左車線にいた
車の横をゆっくりと抜き去ろうとしていた・・・
右後ろからその左斜め前方の車を見たとき、何故か豪快な違和感を
感じた・・・
その違和感が何なのか、はっきりしたのは、ほぼ車同士が横に並んだ
瞬間だった・・・
若い女性が運転席側の窓を全開にして、そこに肘をつきながら
運転している光景が目に飛び込んできた・・・
「なんて、ワイルドな女なんだ・・・テルマ&ルイーズ 気取りか?」
と思いつつも、その女がオバチャンでも、オレは絶対に恋に
落ちちゃう5秒前であった・・・
「しっかりと顔を見たい・・・」という欲求は、すれ違いざま、
サイドミラーの中で叶えられた・・・
「オイ、若けーよ!ブラザー!」などと、一人で盛り上がっていた・・・
やがて交差点の赤信号で止まり、少し後方で同じく止まる彼女・・・
やがて信号はかわり、僕のレーンより早く進む、彼女のレーン・・・
こんどは至近距離で拝めるとあって、オレは凝視していた・・・
くわえ煙草をしていた・・・
それは下腹部あたりから熱いものがこみあげるのを感じつつも、
「グッとくる女性のしぐさランキング」の下半期部門で、
楽勝で一位になる光景を見た瞬間だった・・・
まるでレオス・カラックス監督の「汚れた血」や「ポンヌフの恋人」で
活躍した、ジュリエット・ビノシュのようにだぶり、小悪魔的な
カワイさと弱さと鋭さを併せ持つ女性のように感じ、オレの心では
波頭が砕け散っていた・・・
彼女とは、そこで道が分かれてしまったが、またどこかで会う気がした・・・
その時オレはこういうだろう・・・
「以前お会いしましたね。そう、パリ五丁目の素敵な雑貨屋さんの前で・・
僕の目をみて。ホラ、マホガニー色してるでしょ・・・ウフッ
これでも、小学生の頃はピッチャーで4番でした。
母親は23歳で結婚したんです。
上手にカップ焼きそばの湯切りができます。お得です・・・」
と・・・
フランス映画のような恋がしたいだけです、奥さん・・・
