生る場所・・・
中途半端だが心地よい風が頬を撫でる夕刻、
それは小さな手で捥ぎ取られたのであろう。
緑から赤へとうつろいながらトマトは熟し、
胡瓜は享楽的に宙にぶらさがる・・・
息を潜め、次に跳ねる瞬間を自己中心的に待つバッタや
おのが翠と、夏と共生するかのように精力的に勢いよく
茂る草の緑とを戯れるが如く愉しむ、アマガエル・・・
気の早い、アキアカネがすばしっこく嘲笑うかのように
舞いだすと、夏の夕刻にコクと深みが増し始める・・・
洗濯場に時々、蛇がとぐろを巻いているような酷い田舎だが、
その先祖からのプリティ畑があるおかげで、子供たちは
夏の夕刻のライブをたっぷりと楽しんでいる・・・
トマトがのっけから赤色でもなく、胡瓜がバナナのように生る
わけでもない事を自然にインストールしながら、
紅く染まる西の空をバックにライブは終焉を迎える・・・
夕餉の食卓にならぶ、トマトや胡瓜のミズミズシサを
よそに、子供たちはさっき仕留めたそれら獲物を
指差しながら、武勇伝を気持ち良さそうにとうとうと語る・・・
ふいに、子供達の箸が止まり、咀嚼途中のモノを露わにしながら
あんぐりと口を開けている・・・
(どうした、獲りたて野菜の美味さに驚愕したか、コノヤローっ!)
TVからポケモンが流れ出していた・・・
そっちか・・・
