初練習、そして・・・ | 「えっ、ソフトバレー?」

初練習、そして・・・

夏に開かれる子供の幼稚園のPTAのソフトバレー大会に出場するように
なった、俺。
高校を卒業して、10数年。スポーツらしいスポーツなどやってこなかった
俺が、ソフトバレー。

しかし、前述した通り、高校時代のクラスマッチのバレーボールに
燃えた、燃え尽きた秘密の過去を持つ男、俺。


初練習の日、その秘めたる実力を存分に発揮し、嫁ハンのド肝を抜く
べく、体育館を訪れた・・・


「どうも~。コレ、うちの旦那」と、同じ幼稚園の奥さん連中に紹介
される、俺。
すぐさま、好奇の目が向けられる・・・
値踏みされるような視線に、若干の気持ちよさを感じつつ、状況把握。

1チーム4人で構成される、ソフトバレー。
今回我が幼稚園から、女子チームが1チーム。
男女2人づつのミックスが1チーム。
合計2チーム出場。

という事で、7~8人ほどの奥様と、俺の他に男性一人が、我が幼稚園
から練習に来ていた。

そして小学校から出場する方、10人くらいと初練習が始まった・・・


軽い、ウォーミングアップをして、初めてソフトバレーボールという
ものに触れる。
それは過去に経験した事がないような感触で、敢えて例えるなら、
ブラジルの食堂で、メニューの右から2番目を軽い気持ちで
注文したら、完璧に盛られた「特上刺身定食」が出てきたような感じ
だった・・・しかも、食後のデザートとして「わらびもち」まで
付いてくる始末・・・しかもそれまで最高に美味いのだ。


つまり、アノ普通のバレーボールを前提にある程度想像していたので、
あまりのギャプと違和感に、「こんなボールじゃ、子供のお遊びだよ!
チャック!」とすぐさま思ったね。間違いなく、俺のプライドを
傷つけたね。

即効で、ヤル気が秒速200mで失せ、同時に、ソフトバレーボールの
コートに、俺の気持ちはパーンしていた・・・

そこで知らされたのは、バトミントンコートの広さでそれは行われると
いう事とママさんバレーのネットの高さより低い、2mというネット
の高さだった。


マジで恋する2秒前だった・・・
というか、マジで世の中を恨んだね。
何故、あの熱い高校時代のクラスマッチを戦った戦士のひとりとして、
そんなヌルいスポーツを子供のPTAとはいえ、やらなければ
ならないのか?と。



宇宙から、体育館の片隅でボー然としている俺を見ているような
不思議な感覚に包まれる。今思えば、幽体離脱だったのかもしれない・・・
意識が、すぅーと遠のいてゆく感じがしていた・・・


「あっ!ボール行ったーーー!」
という声で意識を引き戻されたと同時に、自分の眼前に迫る、
ボールに、我にかえる俺。

そう、みんなで円陣になってパス練習をしてたんだっけ。
狼狽しつつも、意識を取り戻し、アンダーハンドでボールを返そうとした
その時、
「ボョォ~~~ン」

自分の意識した方向とは、まるっきり他のところへ飛んでゆく
ボール。

もう6年も前に別れた彼女マリコ。カップヌードルのカレー味を
おつゆを飛ばさないように、慎重に口に運んでいたとき、
TVに映ったテレフォンショッキングのタモリの横で微笑む
マリコが、突然目に飛び込んできたような衝撃だった。



そう、ボールが真っ直ぐ飛ばないんです。
そんなボールを見事に操る、オバちゃんやオッさんを
目の当たりにし、また、俺の意識はさっきとは確実に違った
方向性で、薄れていったのであった・・・

そして次回、更なる衝撃の事態が俺を襲うのでありました。

続く・・・