展覧会の話の続きです。
広重が北斎から学んでいるな、と
わかるのが、こちら。
真ん中にどん、とある木。
北斎とはまた違う描き方ですなあ。
薪の煙も含めて絵を分けてるのですが、
奥行もあり、絵が分かれてる雰囲気がないですね。
それに、広重はお金持ちのボンボンだったからか、
色も多様してます。
たぶん江戸時代にいろんな種類の色を使う、
というのは、お金がかかることだったのでは、
と思います。
貧乏な北斎には無理だったのかも?
カラフルな桜と青々とした野山が印象的です。
広重は北斎に対抗するように富士山をテーマにした絵を
書き始めるのですが、
その構図や描き方は全然違うものでした。
これ、有名なやつだけど、富士山より鯉のぼりが印象的で、
この大胆な構図はなかなかなものです。
鯉のぼりの鯉に目が行くものの、
その奥の風景もしっかりと視線が行く、
この構図はなかなか高度やなあ、と思いました。
まあ、北斎の波ざっぱーんの間に見える富士山。
あれと似たものを感じさせる、と言えるかもしれません。
いずれにせよ、ふたりとも
イラストに近いよなあ、と私は思いました。
日本のイラスト、漫画文化が花開くのも
浮世絵文化や版画文化から来てるのかな、
と思ったりしました。
甲乙つけがたい北斎と広重。
どちらも江戸時代を知る素敵な絵を
たくさん描いてくれて有難いですね