　2024.05.12

:9 野のすべての獣、林の中のすべての獣よ。食べに来い。

:10 見張り人はみな目が見えず、知ることがない。彼らはみな口のきけない犬、ほえることもできない。あえいで、横になり、眠りをむさぼる。

:11 この貪欲な犬どもは、足ることを知らない。彼らは、悟ることも知らない牧者で、みな、自分かってな道に向かい、ひとり残らず自分の利得に向かって行く。

:12 「やって来い。ぶどう酒を持って来るから、強い酒を浴びるほど飲もう。あすもきょうと同じだろう。もっと、すばらしいかもしれない。」

（イザヤ書56章9節から12節）

ｰ続きｰ

最後の、『あすもきょうと同じだろう。もっと、すばらしいかもしれない」（12節）というのは、さきほどお読みした第2ペテロ3章3節の「先祖たちが眠ってから、創造の初めからずっと世の中は変わらないんだよ」というあざける言葉の違う表現でしょう。

「世の中はずっとこのままなんだ。あすも今日と同じだろう。いや、もっとすばらしいかもしれない」と言っているのですね。

:3 まず第一に、次のことを知っておきなさい。終わりの日に、あざける者どもがやって来てあざけり、自分たちの欲望に従って生活し、

:4 次のように言うでしょう。「キリストの来臨の約束はどこにあるのか。父祖たちが眠った時からこのかた、何事も創造の初めからのままではないか。」

（第2ペテロ3章3節から4節）

そして、「飲んだり、食べたり、めとったり、とついだり」とイエス・キリストが預言した終末の直前、携挙直前、ひとりは取られ、ひとりは残されるという直前の状況を地でいっている。そのような状態です。

人の子が来るのは、ちょうど、ノアの日のようだからです。洪水前の日々は、ノアが箱舟に入るその日まで、人々は、飲んだり、食べたり、めとったり、とついだりしていました。そして、洪水が来てすべての物をさらってしまうまで、彼らはわからなかったのです。人の子が来るのも、そのとおりです。（マタイ24章37節から39節）

彼らは神の羊飼い、牧者なのです。でも見張り人の役割を果たしきっていないのですね。果たしきっていないどころか、目が見えないとも言われています。そして、ほえることができない犬であり、横になって眠りをむさぼっているとまで言われています。

警告をするべき、戦闘の準備をさせるべき、「主イエスの来臨が近いんだ。携挙が近いんだ」という事を言うべき者たちが、目が見えず、知ることがなく、眠り呆けている。しかも、この世的になって、この世的な意味では、自分の欲に従って自分の利得のために突っ走っているのです。

ある意味、一生懸命、自分のために働いているのです。神に従って役割を果たしていないのですね。ですから、なまけ者ではないのです。この世的に見たら、彼らは突っ走って一生懸命に働いているのです。

でも彼らがしていることは天国になんら益をもたらしていないということです。それゆえに獣の時代が神によって宣告されたとき、獣に「コイツらを食え」と言われるのです。

補足説明：“神が”獣に「彼らを食え」と言われます。

:9 野のすべての獣、林の中のすべての獣よ。食べに来い。

:10 見張り人はみな目が見えず、知ることがない。彼らはみな口のきけない犬、ほえることもできない。あえいで、横になり、眠りをむさぼる。

（イザヤ書56章9節から10節）

私の考えでは、これはもちろん教会の指導者たちに対する、神の民の牧者たちに対する宣告、警告ですが、あの人、この人の問題ではないでしょう。イエス・キリストもマタイ5章13節で「あなたがたは地の塩です。」と言いながら、「塩が塩けをなくしてしまったら、外に捨てられて踏みつけられるだけです。気をつけましょう」ということを警告しておられます

あなたがたは、地の塩です。もし塩が塩けをなくしたら、何によって塩けをつけるのでしょう。もう何の役にも立たず、外に捨てられて、人々に踏みつけられるだけです。

（マタイ5章13節）

私たちは地の塩・世の光なのです。私たちも、あの人、この人の問題ではなくて、自分自身の中の塩けを保つという意味で、ここでも自分に振り返って考えて、「見張り人としての役割を果たしていますか。ラッパをしっかり吹いて警告をしていますか。自分が地の塩・世の光として自分の信仰の光を隠すようなことをしていませんか」というふうにここを受けとめるべきでしょう。