仏弟子の告白より スニータ長老の言葉
わたくしは賤しい家に生まれ、貧しくて食物が乏しかったのです。
わたくしは稼業が卑しくて萎れた花を掃除する者でした。 ( 糞尿の汲み取り人 )
人々には忌み嫌われ、軽蔑せられ、罵られました。
わたくしは心を低くして多くの人々を敬礼しました。
そのとき、全き覚りを開いた人 ( ブッダ ) 、 大いなる健き人が、修行僧の群れに
とりまかれて、マガダ国の首都に入って来られるのを、わたくしは見ました。
わたくしは天秤棒を投げ捨てて、師に敬礼するために、近づきました。
わたくしを憐れむが故に、最上の人 ( ブッダ ) は そこに立ち止まっておられました。
そのとき、わたくしは、師の御足に敬礼して、一方の側に立って、あらゆる生きもの
のうちの最上者 ( ブッダ ) に、「 出家させてください 」 と請いました。
そのとき、慈悲深き師、全世界をいつくしむ人は、 「 来なさい。 修行者よ。 」 と
わたくしに告げられました。 これが わたくしの受戒でありました。
そこで わたくしは、独りで森に住んで、怠ることなく、勝者 ( ブッダ ) が教え諭されたとおりに、師のことばを実行しました。
夜の初更に、わたくしは過去生のことを想い起こしました。 夜の中更に、天眼
( 透視力 ) が浄められました。 夜の後更に、闇黒 ( 無知 ) の塊りが砕かれました。
次いで、夜の明けがた、太陽の昇り出るころに、インドラと梵天とが来て、
わたくしに合掌し敬礼して、言いました、—-
「 生まれ良き人、あなたに敬礼します。 最上の人、あなたに敬礼します。
あなたの汚れは消滅しました。 あなたは、供養を受けるべきかたです。 」
次いで わたくしが神々の群れに敬われているのを、師は見たもうて、
微笑をたたえて 次の道理を説かれました、ーー
「 熱心な修行と 清らかな行いと 感官の制御と自制と、ーー これらによって、
ひとは、バラモンとなる。 これが最上のバラモンたる境地である。」
仏弟子の告白 ( 岩波文庫 ) テーラガーター より スニータ長老の言葉
