ブッダ 悪魔との対話より 尼僧に関する集成 第二節 ソーマー尼
 
 
 
 
 サーヴァッティ―市が ゆかりの場所である。
 
そのとき ソーマー尼は、早朝に衣をつけ、鉢と衣を手にとって、托鉢のために
 
サーヴァッティー市に入って行った。
 
サーヴァッティー市で托鉢したのち、食後に、食事から帰ってきて、昼間の休息
 
のために、うす暗い密林に入った。 うす暗い密林をかきわけ入って、昼間の
 
休息のために、ある樹木の根本に座した。
 
 そのとき悪魔・悪しき者は、ソーマー尼に、身の毛もよだつほどの恐怖を
 
起こさせようとして、瞑想から離れ去らせようとして、ソーマー尼に近づいた。
 
近づいてから、ソーマー尼に向かって、詩をもって語りかけた。 
 
 
「 達成しがたくて、仙人たちのみが体得し得る境地は、二本の指ほどの
 
 わずかな知恵しかない女人が それを体得することはできない。」、と。
 
 
 そこでソーマー尼は このように考えた。 ーー 「 詩をとなえているこの者は
 
 誰なのだろう ?  人間なのであろうか ?  あるいは人間ならざる者なので
 
 あろうか ? 」、と。
 
 つづいてソーマー尼は、このように思った。 ーー 「 これは、悪魔・悪しき者
 
 が、わたしに、身の毛もよだつほどの恐怖を起こさせようとして、瞑想を
 
 やめさせようとして、詩をとなえているのだ。」、と。
 
 
そこでソーマー尼は、「 これは悪魔・悪しき者である。」、と知って、悪魔・悪しき
 
者に 詩をもって語りかけた。 ーー
 
 
「 心が よく安定し、知恵が現に生じているとき、正しく真理を観察する者に
 
 とって、女人であることが、どうして妨げとなるでしょうか。
 
 『 われは女であろうか ? 』、『 われは男であろうか ? 』、また、『 われは
 
 何者なのだろうか ? 』、と、このように迷っている人こそ、悪魔が呼びかける
 
 のに ふさわしいのです。」
 
 
そこで 悪魔・悪しき者は、「 ソーマー尼は わたしのことを知っているのだ。」
 
と気づいて、打ちしおれ、憂いに沈み、その場で消え失せた。


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