・
つとめ
ブッダと弟子たちが 布教の旅をしていて、ある都市に行った時のこと。
その街の信者だった、ある裕福な家の主人が なぜか 一人で杖をついて鉢を持ち、みすぼらしい姿で、
家々をまわって食べ物を乞うていました。
ブッダが、 「 どうしたというのですか ? 」、 と 聞いてみると ・・・・・
彼には四人の子供がいましたが、成人したので家の財産を それぞれの子供たちと その妻に与えました。
すると間もなく子供たちは、父親をじゃまにして 家から追い出してしまった、と言うのです。
その日の夕方、その街の人々が公会堂に集まって ブッダの説法を聞く事になっていました。
そこには 父親を追い出した四人の子供と その妻たちも来るはずでした。
ブッダは その主人に、 「 これから 私が語る言葉を覚えて、私の説法の前に 公会堂に集まった人々に
この言葉を語りなさい。」、 と告げられました。
公会堂には、ブッダの説法を楽しみにした人々が、たくさん集まってきました。
やはりその中には、主人の四人の子供と、その妻たちも来ていました。
すると ブッダが説法をする前に、みすぼらしい姿をした主人が出て来て、ブッダから教えられた言葉を
このように言いました。
「 我は 子らの生まれるのを喜び、また 彼らの成長を願ったが ・・・・・
今や彼らは 妻らと謀 ( たばか ) って 我を豚のように追い出した。
良からぬ しれ者、かつては我を、 「 父よ、父よ。」、 と 呼ばわったが、
実は 子の形をした悪鬼だったのだ。 彼らは 年老いた我を捨て去った。
老いぼれて役に立たぬ馬が食を与えられないように、この子らの父なる老人は、他人の家に食を乞う。
不従順な子らを持つよりも、我には 杖のほうがましだ。
猛き牛をも追い払い、 また 猛き犬をも追い払ってくれる。
暗闇では 我が前にあり、 深い処では 足場を作ってくれる。
杖の力により、倒れても また起き上がる。」
と、人々に向かって追い出された主人は語り、ブッダと弟子たち、公会堂に集まっていた人々に見られて
さすがに 父親を追い出した 四人の子供と妻たちは 恥じたという。
そのあと、ブッダは集まった人々に、このように語られました。
「 法に従って得た財をもって 母と父とを養うべし。 世に 母を敬うことは楽しい。
また 父を敬うことは楽しい。
母 あるいは父を、法によって養う人があれば、母と父とに仕える その事をもって、
この世では諸々の賢者が 彼を称賛する。 また 逝かば 彼は天上に楽しむ。
母と父とは、梵天とも言われ、先師とも言われる。
子らの供養すべきもので、また 子孫を愛する者である。
だから 実に賢者は 食物と飲料と 衣服と座床とをもって 母と父とに敬礼し 尊敬せよ。
されば 正しい善人は、恩を感じて恩を知り、昔の恩を想い起こして 母と父とを扶養する。
家に在るも 智恵ある人は、多くの人々の利益をなす者である。
昔なされた事を憶い起こし、夜と昼とに飽かずして、法の如くに母と父と 及び祖先を 尊敬供養する。
美しき人は 法を知り、信仰を堅くたもつ。
正法に善く安住せる人は、国家の利益であり、神々の利益であり、親族、朋友の利益であり、
一切の人々の利益である。
ものおしみの垢をば 除き去り、幸ある天に到るであろう。」
と、ブッダは 人々に説かれ、父親を追い出した四人の子供と その妻たちは恥じ、父親に謝罪して、
父親を家に連れて帰ったのでした。
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つとめ
ブッダと弟子たちが 布教の旅をしていて、ある都市に行った時のこと。
その街の信者だった、ある裕福な家の主人が なぜか 一人で杖をついて鉢を持ち、みすぼらしい姿で、
家々をまわって食べ物を乞うていました。
ブッダが、 「 どうしたというのですか ? 」、 と 聞いてみると ・・・・・
彼には四人の子供がいましたが、成人したので家の財産を それぞれの子供たちと その妻に与えました。
すると間もなく子供たちは、父親をじゃまにして 家から追い出してしまった、と言うのです。
その日の夕方、その街の人々が公会堂に集まって ブッダの説法を聞く事になっていました。
そこには 父親を追い出した四人の子供と その妻たちも来るはずでした。
ブッダは その主人に、 「 これから 私が語る言葉を覚えて、私の説法の前に 公会堂に集まった人々に
この言葉を語りなさい。」、 と告げられました。
公会堂には、ブッダの説法を楽しみにした人々が、たくさん集まってきました。
やはりその中には、主人の四人の子供と、その妻たちも来ていました。
すると ブッダが説法をする前に、みすぼらしい姿をした主人が出て来て、ブッダから教えられた言葉を
このように言いました。
「 我は 子らの生まれるのを喜び、また 彼らの成長を願ったが ・・・・・
今や彼らは 妻らと謀 ( たばか ) って 我を豚のように追い出した。
良からぬ しれ者、かつては我を、 「 父よ、父よ。」、 と 呼ばわったが、
実は 子の形をした悪鬼だったのだ。 彼らは 年老いた我を捨て去った。
老いぼれて役に立たぬ馬が食を与えられないように、この子らの父なる老人は、他人の家に食を乞う。
不従順な子らを持つよりも、我には 杖のほうがましだ。
猛き牛をも追い払い、 また 猛き犬をも追い払ってくれる。
暗闇では 我が前にあり、 深い処では 足場を作ってくれる。
杖の力により、倒れても また起き上がる。」
と、人々に向かって追い出された主人は語り、ブッダと弟子たち、公会堂に集まっていた人々に見られて
さすがに 父親を追い出した 四人の子供と妻たちは 恥じたという。
そのあと、ブッダは集まった人々に、このように語られました。
「 法に従って得た財をもって 母と父とを養うべし。 世に 母を敬うことは楽しい。
また 父を敬うことは楽しい。
母 あるいは父を、法によって養う人があれば、母と父とに仕える その事をもって、
この世では諸々の賢者が 彼を称賛する。 また 逝かば 彼は天上に楽しむ。
母と父とは、梵天とも言われ、先師とも言われる。
子らの供養すべきもので、また 子孫を愛する者である。
だから 実に賢者は 食物と飲料と 衣服と座床とをもって 母と父とに敬礼し 尊敬せよ。
されば 正しい善人は、恩を感じて恩を知り、昔の恩を想い起こして 母と父とを扶養する。
家に在るも 智恵ある人は、多くの人々の利益をなす者である。
昔なされた事を憶い起こし、夜と昼とに飽かずして、法の如くに母と父と 及び祖先を 尊敬供養する。
美しき人は 法を知り、信仰を堅くたもつ。
正法に善く安住せる人は、国家の利益であり、神々の利益であり、親族、朋友の利益であり、
一切の人々の利益である。
ものおしみの垢をば 除き去り、幸ある天に到るであろう。」
と、ブッダは 人々に説かれ、父親を追い出した四人の子供と その妻たちは恥じ、父親に謝罪して、
父親を家に連れて帰ったのでした。
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