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                          仏教  サンガ の風景




サンガに集まっている 修行者の多くは、ブッダを始め 糞掃衣 ( ふんぞうえ ) という

袈裟 ( けさ ) を まとっていた。


下着 ( 腰巻き )、上衣 ( 右肩を出した上着 )、大衣 ( 寒い時に 頭から掛けたり、座る時 下にひく

大きな布 )、という 三衣 ( さんえ ) である。


糞掃衣 とは読んで字の如く、使用済みの、布のトイレットペーパーで作った 衣 ( ころも ) であった。

当時、紙は貴重だったので、粗末な布を 便所で使用していた。 

ゴミ捨て場に行って 使用済みの布を拾って来て、川で洗い、ぬいあわせて 衣を作ったのだった。

林の 死体捨て場に落ちている布を 拾って来る事もあったという。

ブッダの弟子たちは 富豪の出身者が多かったが、これも物欲を失くす為の 大切な修行の 一つだった。


木綿の 粗末な布なので、破れやすい。 

ある時、アヌルッダという 目の不自由な弟子が、ほころびを縫おうとしたが、針の穴に 糸が通らない。

「 どなたか、私のまわりに おられる方で、私の為 に針に糸を通して、徳を積もうという人は

 いませんか ? 」、 と言うと、 「 それは 私がやりましょう 。」、  と いう声があった。

それは ブッダの声だった。 


アヌルッダは、 「 とんでもありません 。 あなたのような 徳を積まれた方が 。」、 と 驚いたが、

ブッダは、 「 徳を積んで 幸福になりたいという気持ちでは、私は 誰にも負けませんよ。」

と言われて 針をとられたという。


基本的には、自由な集団だったので、腰に鹿の皮をまとっている 弟子のグループもいた。

南インドからやって来て サンガに入った修行者たちだった。 

座って瞑想する時に、尻を 虫や 蛇に 噛まれない為だった。 


おしゃれも禁止されていたが、ある弟子は 若草色の 美しい布で三衣を作り、

ペット ( 乗り物 ) にしていた 象の首に乗って、托鉢 ( たくはつ ) の為に、街に入って行った。

この弟子は、自分の 人を見下す 高慢な性質が 無くならないので 困っていた。

この日も、象の上から 町の人々を見下ろしながら 托鉢 ( 乞食 ) に行ったのだった。 

その時、象が何かに驚いて あばれたので、象から ころがり落ちてしまった。 

象に 踏まれそうになった恐怖のせいか、この時 高慢な気持ちが消えたというので、

「 高慢さから 解脱した ! 」、 と、獅子吼 ( ししく ) をしている。


頭陀行 ( ずだぎょう ) という、衣食住に関する、一切の欲望を捨て去る という修行があり、

それを得意としている 弟子たちのグループがあった。    インド伝統の 苦行に近い。

この中でも 有名な人は、マハーカッサパという 弟子であった。 


この人は、ブッダに願い出て 自分が着ていた 立派な三衣と、ブッダの三衣を 交換してもらい、

一生それを着ていたという。 

破れた所を 別の布で つぎ足していくので、蓑 ( みの ) のようになってしまった。

ある時、ブッダから、 「 それは 重いから、あなたも 信者から贈られた三衣にしたらどうですか 。」

と言われたが、 「 いえ、私は これが気に入っているのです 。」、  と言っている。

マハーカッサパの姿は、当時のインドにいた 苦行者を 見慣れている人々から見ても、凄かったらしい。


ある時、新しく サンガに入って来た 修行者たちが、ブッダの話を聞いていた時のこと。

そこへ、ひさしぶりに 山から マハーカッサパが降りて来た。 

修行者たちは、鬼があらわれたと驚いて 泣き叫び、大騒ぎになった。

ブッダは、 「 恐れる事はありません 。 この人は 私の弟子の内でも 第一の人ですよ 。」

と言われたので、皆 又驚いたという。


弟子の中には、以前理髪を 職業にしていた人もいた。 髪が伸びている仲間を見ると、近づいて、

「 友よ、髪を切りましょう 。」、 と言って、その手に 鏡を持たせて 髪を切っていた。


サンガの修行者たちは、午前中に 街へ托鉢に出かけて、一日 一食の 食事をとっていた。

ジャイナ教の修行者たちは、夕方に托鉢に出かけて、夜に 山に帰って行った。

ジャイナ教から ブッダに帰依して、サンガに入った、ウダーイン と いう人が ブッダに、

「 私たち ジャイナ教徒は 托鉢のあと 夜帰るので、たいへんでした 。」、 と 語っている。


ジャイナ教の 出家者たちは 皆、当時は 男ばかりで、無所有を主義として 下着も身につけないという、

真っ裸の修行者たちであった。


 ウダーインは、 

 ( 月の無い夜は 真っ暗で、私たちは 寝ている牛に ふみあげたり、池に落ちたりしました 。

 藪に ふみこんだり、盗賊に出会ったり、遊女たちに 誘惑されたりしました 。

 雷が光っている夜に、外で食器を洗っている 女の人のそばに、私は 托鉢の為に立っていました 。

 雷の光で 女性は 私に気付き、 「 きゃー !  鬼が私を ! 」、 と叫んで 腰を抜かしました 。

 私は、 「 鬼ではありません。  修行者が 托鉢に立っているのです 。」、 と言いました 。

 その女性は 、 「 あなたの親は 死んだのでしょう ?    夜に立っていると いけません 。

  おなかを切られて 殺されますよっ ! 」、 と 言って 怒りました 。 )

 という 告白をしている。






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