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「 ブッダ の言葉 」
自分自身を 探し求めよ ( 自分の中の 賊を追う )
ある時、三十人の男たちが、それぞれの妻を伴って、森の中で遊んでいた。
そのうちの一人は 妻を持っていなかったので、遊女を連れて来ていた。
しかし、かれらが遊びに たわむれているうちに、遊女は皆の財物を盗んで 逃げてしまった。
男たちは それに気がついて、森の中を あちこち探しまわっているうちに、
ブッダが樹の下で座っておられるのを見た。 そこで、ブッダに近づいてたずねた。
「 世尊よ 。 女の姿を見ませんでしたか ? 」
「 女が どうしたと言うのですか 。」
「 私たち 三十人の仲間は それぞれ妻を伴って 森に来たのですが、そのうちの一人は妻がいないので、
遊女を連れてきました 。 その遊女が財物を盗って逃げたので、こうして 探しているのです 。」
「 君達は どう思いますか ? 遊女を探し求める事と、自分自身を 探し求める事との、
どちらが すぐれていると思いますか ? 」
「 自分です・・・ 」
と、かれらが答えると、ブッダは言われた。
「 それならば、ここに座りなさい 。 私は君たちに 教えを説きましょう 。」
かれらに対してブッダは、施論 ( 分かちあう事 )、戒論 ( いましめ )、昇天論や、
欲望のとらわれから離れる事の功徳を、又、四つの真理 などを説かれた。
このようにして、三十人の男たちに、清らかな真理の眼が生まれた。
真理 に執着してはならない 「 筏 ( いかだ ) の譬え ( たとえ ) 」
「 修行者たちよ 。 汝らを彼の岸に渡らせ、執着の心を起こさせない為に、私は 筏の譬えの
教えを説こう 。 たとえば、大水流で、こちらの岸は危険であり、彼の岸は 安全であったとしよう。
かれは筏を作って 彼の岸に渡るであろう 。
このようにして、かれは筏に乗って 向こう岸に無事に着いたあと、かれは、( この筏は私にとって、
実に役に立った 。 さあ、私はこの筏を 頭に乗せ、あるいは、肩にかついで 思うままに行こう 。)
と、このように 思ったとしよう 。 修行者たちよ 。 これをどう思うか 。
この人は 筏について 適切な扱いをしたのであろうか 。」
「 そうではありません 。 世尊よ 。」
「 その通りである 。 ( 私はこの筏に乗って無事に着いた 。 それでは、私はこの筏を
岸に引き上げ、あるいは 水に沈めておいてから、思うままに行こう 。)、 と 考えるならば、
かれは筏について 適切な扱いをしたのである 。
修行者たちよ 。 このように、私は人々を こちらの岸から 向こうの岸に渡らせ、
しかも執着の心を起こさせない為に、筏の譬えの教えを説いたのである 。
実に、筏の譬 ( たと ) えの教えを知る 汝らは、真理 ( 法 ) をも捨てなければならない 。
まして、非法 ( 真実で無いもの ) を捨てねばならない事は 言うまでもない 。」
神への道
「 ヴァーセッタ よ 。 どのような階級に生まれた、どのような人であっても、
その人に慈しみの心、 他人の苦悩に 共感する心、 他人を幸福にする事を 喜ぶ心、
全てのとらわれを捨てた、平安なる心、( 慈、悲、喜、捨 ) という、四つの 利他の心が生まれ、
それが 全世界に遍満する 。
ヴァーセッタ よ 。 これがブラフマン神 ( 天界の最高位 ) の世界に入る 道である 。」
自分の言葉で 真理を語れ ( 平等に開かれた教え )
二人の弟子が ブッダに言った。
「 世尊よ 。 今、ブッダの教団には たくさんの修行者がおりますが、それぞれ 名も姓も異なり、
生まれた家系も 階級も まちまちです 。 そのため、修行者たちは
それぞれが自分の言葉で 教えを語り、ブッダの言葉を汚しています 。
さあ、世尊よ 。 ブッダの言葉を ヴェーダ語に変えようではありませんか 。」
「 愚か者よ 。 汝らの言うようにすれば、未だ教えを信じていない人々を 真理から遠ざけ、
すでに信じている人々の信仰を なくす事になるではないか 。」
ブッダは二人の弟子を このようにいましめてから、その場にいる全ての修行者たちに
次のように言われた。
「 修行者たちよ 。 私の言葉を ヴェーダ語に変えてはならない 。
私は、おのおのが 自分の言葉で、私の言葉を学ぶ事を 認める 。」
パセーナディ への教え ( 人の心を傷つけたり、殺害してはならない )
ある時、パセーナディ王は 王妃に言った。
「 マッリカーよ、お前には 自分自身よりも さらに愛しい人が ほかにあるか ? 」
「 王さま、私にとって 私自身よりも愛しいものは、ほかにありません 。
大王よ、あなたには、自分よりも さらに愛しいものが、ほかにあるでしょうか 。」
「 マッリカーよ、私にとっても、自分自身より愛しいものは 誰もいない ・・・・ 」
そこで王は、ブッダを訪ね、この会話の内容を語り、ブッダの意見を求めた。
ブッダは、「 人の思いは 全てに渡るが、誰であれ 自分は愛しいのである 。
だからこそ、自分を愛する事によって、他人を 傷つけてはならない 。」
と 説かれた。
「 ブッダの悟り 33の物語 」 菅沼 晃 法蔵館 より
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「 ブッダ の言葉 」
自分自身を 探し求めよ ( 自分の中の 賊を追う )
ある時、三十人の男たちが、それぞれの妻を伴って、森の中で遊んでいた。
そのうちの一人は 妻を持っていなかったので、遊女を連れて来ていた。
しかし、かれらが遊びに たわむれているうちに、遊女は皆の財物を盗んで 逃げてしまった。
男たちは それに気がついて、森の中を あちこち探しまわっているうちに、
ブッダが樹の下で座っておられるのを見た。 そこで、ブッダに近づいてたずねた。
「 世尊よ 。 女の姿を見ませんでしたか ? 」
「 女が どうしたと言うのですか 。」
「 私たち 三十人の仲間は それぞれ妻を伴って 森に来たのですが、そのうちの一人は妻がいないので、
遊女を連れてきました 。 その遊女が財物を盗って逃げたので、こうして 探しているのです 。」
「 君達は どう思いますか ? 遊女を探し求める事と、自分自身を 探し求める事との、
どちらが すぐれていると思いますか ? 」
「 自分です・・・ 」
と、かれらが答えると、ブッダは言われた。
「 それならば、ここに座りなさい 。 私は君たちに 教えを説きましょう 。」
かれらに対してブッダは、施論 ( 分かちあう事 )、戒論 ( いましめ )、昇天論や、
欲望のとらわれから離れる事の功徳を、又、四つの真理 などを説かれた。
このようにして、三十人の男たちに、清らかな真理の眼が生まれた。
真理 に執着してはならない 「 筏 ( いかだ ) の譬え ( たとえ ) 」
「 修行者たちよ 。 汝らを彼の岸に渡らせ、執着の心を起こさせない為に、私は 筏の譬えの
教えを説こう 。 たとえば、大水流で、こちらの岸は危険であり、彼の岸は 安全であったとしよう。
かれは筏を作って 彼の岸に渡るであろう 。
このようにして、かれは筏に乗って 向こう岸に無事に着いたあと、かれは、( この筏は私にとって、
実に役に立った 。 さあ、私はこの筏を 頭に乗せ、あるいは、肩にかついで 思うままに行こう 。)
と、このように 思ったとしよう 。 修行者たちよ 。 これをどう思うか 。
この人は 筏について 適切な扱いをしたのであろうか 。」
「 そうではありません 。 世尊よ 。」
「 その通りである 。 ( 私はこの筏に乗って無事に着いた 。 それでは、私はこの筏を
岸に引き上げ、あるいは 水に沈めておいてから、思うままに行こう 。)、 と 考えるならば、
かれは筏について 適切な扱いをしたのである 。
修行者たちよ 。 このように、私は人々を こちらの岸から 向こうの岸に渡らせ、
しかも執着の心を起こさせない為に、筏の譬えの教えを説いたのである 。
実に、筏の譬 ( たと ) えの教えを知る 汝らは、真理 ( 法 ) をも捨てなければならない 。
まして、非法 ( 真実で無いもの ) を捨てねばならない事は 言うまでもない 。」
神への道
「 ヴァーセッタ よ 。 どのような階級に生まれた、どのような人であっても、
その人に慈しみの心、 他人の苦悩に 共感する心、 他人を幸福にする事を 喜ぶ心、
全てのとらわれを捨てた、平安なる心、( 慈、悲、喜、捨 ) という、四つの 利他の心が生まれ、
それが 全世界に遍満する 。
ヴァーセッタ よ 。 これがブラフマン神 ( 天界の最高位 ) の世界に入る 道である 。」
自分の言葉で 真理を語れ ( 平等に開かれた教え )
二人の弟子が ブッダに言った。
「 世尊よ 。 今、ブッダの教団には たくさんの修行者がおりますが、それぞれ 名も姓も異なり、
生まれた家系も 階級も まちまちです 。 そのため、修行者たちは
それぞれが自分の言葉で 教えを語り、ブッダの言葉を汚しています 。
さあ、世尊よ 。 ブッダの言葉を ヴェーダ語に変えようではありませんか 。」
「 愚か者よ 。 汝らの言うようにすれば、未だ教えを信じていない人々を 真理から遠ざけ、
すでに信じている人々の信仰を なくす事になるではないか 。」
ブッダは二人の弟子を このようにいましめてから、その場にいる全ての修行者たちに
次のように言われた。
「 修行者たちよ 。 私の言葉を ヴェーダ語に変えてはならない 。
私は、おのおのが 自分の言葉で、私の言葉を学ぶ事を 認める 。」
パセーナディ への教え ( 人の心を傷つけたり、殺害してはならない )
ある時、パセーナディ王は 王妃に言った。
「 マッリカーよ、お前には 自分自身よりも さらに愛しい人が ほかにあるか ? 」
「 王さま、私にとって 私自身よりも愛しいものは、ほかにありません 。
大王よ、あなたには、自分よりも さらに愛しいものが、ほかにあるでしょうか 。」
「 マッリカーよ、私にとっても、自分自身より愛しいものは 誰もいない ・・・・ 」
そこで王は、ブッダを訪ね、この会話の内容を語り、ブッダの意見を求めた。
ブッダは、「 人の思いは 全てに渡るが、誰であれ 自分は愛しいのである 。
だからこそ、自分を愛する事によって、他人を 傷つけてはならない 。」
と 説かれた。
「 ブッダの悟り 33の物語 」 菅沼 晃 法蔵館 より
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