ウダーナ ヴァルガ ( 4 )
見る人 ( 賢者 ) は、他の 見る人々 ( 賢者 ) を見、 又、他の 見ない人々 ( 愚者 ) をも見る。
しかし見ない人 ( 愚者 ) は、他の見る人々 ( 賢者 ) をも、 又、見ない人々 ( 愚者 ) をも見ない。
人々は、単に 姿を見るだけであって、姿を さらに吟味 して見るという事がない。
しかし 姿をさらに吟味して見る人は、常に 姿を見る事が無い。 ( 心のみを見る )
分かち与える人には 功徳が 増大する。
自らを 自制するならば、人が 怨みをいだく事はない。 善き人は 悪を捨てる。
情欲と 怒りと 迷妄とを 捨てるが故に、煩悩の覆い ( おおい ) をのがれる。
汚れ ( けがれ ) のない人、常に清くして咎 ( とが ) のない人、を汚す者がいるならば、
そのわざわいは、かえって その浅はかな人に 戻って来る。
風にさからって 細かい塵を投げると、その人に戻って来るような ものである。
自ら 悪をなすならば、常に 自分が汚れる。 ( けがれる )
自ら 悪をなさないならば、自分が 清まる。
人は 他人を清める事ができない。
―― もしも その他人が 内的に 心のはたらきが 清らかでないならば。
金剛石 ( ダイヤ ) が 宝石を磨くように 悪人を練磨する事はできない。
眼 ( まなこ ) ある人々は、不平等のような事柄に勇敢に打ち勝つ。
―― たとい 困難が存在していても。
賢者は、この 命あるものどもの 世界において、悪い事柄を 全く 避けるべきである。
もしも掌 ( 手のひら ) に傷が無いならば、その人は手のひらで 毒を持っている事も できるであろう。
傷の無い人に、毒は及ばない。 悪をなさない人には、悪の 及ぶ事が無い。
善人は 善をなし易い。 悪人は 善をなし難い。 悪人は 悪をなし易い。 聖者は 悪をなし難い。
常に この世のものを 清らかだと思いなして 暮らし、感官を 慎まないで、食事の節度を 知らず、
目覚めている時に 下劣な者は、情欲にうちひしがれる。
弱い樹木が風に倒されるようなものである。
財を 蓄える事なく、食物について その本性を知り、 その人々の境地は 空にして 無相であり、
遠ざかり 離れる事であるならば、かれらの足跡は たどり難い。
空飛ぶ鳥の 跡の たどり難いようなものである。
すでに 旅路を終え、憂いを離れ、あらゆる束縛をのがれ、解脱した 気高い人には、悩みは存在しない。
情欲にひとしい 激流は 存在しない。 怒りにひとしい 不運は 存在しない。
迷妄にひとしい 網は 存在しない。 妄執にひとしい 河は 存在しない。
真理を説き、輝かすべし。 仙人の幡 ( はた ) を かかげよ。
諸々の仙人は、真理を重んじ、常に 善く語る事を はたじるし と している。
沈黙せる者も 非難され、 多く語る者も 非難され、 少しく語る者も 非難される。
世に 非難されない者は いない。
ただ 誹 ( そし ) られるだけの人、又は、ただ 誉められるだけの人は、過去にも いなかったし、
未来にも いないであろう。
又、現在にも いない。
しかし 聡明であり、徳行あり、智慧をそなえ、諸々の戒め ( いましめ ) を守っていて 身を慎んでいる
その人を、誰が 非難し得るであろうか ?
あたかも 一つの岩の塊りが 風に揺るがないように、賢者は 非難と 称賛とに 動じない。
勝利からは 怨みが起こる。 敗れた人は 苦しんで臥す。
勝敗を捨てて、安らぎに帰した人は、安楽に 臥す。
他人を 苦しめる事によって、自分の 快楽を 求める人は、怨みの 絆にまつわれて、
苦しみから 逃れる事が できない。
道理を 実践する人を、常に 道理が守る。 道理を よく実践すると、幸せを受ける。
道理をよく実践すると、このすぐれた利益がある。 道理を実践する人は悪い所 ( 悪趣 ) に赴かない。
分かちあう事と 戦闘とは 相等しいと 人々は言う。 これらの美徳は 悪人には 存在しない。
執著する心がなくて 施し与える人は、幾百の 障害に打ち勝って、敵である 物惜しみを圧倒して、
勇士よりも さらに勇士であると、我は語る。
世にあって、情欲を 離れ、諸々の欲望を 超えているのは、楽しい。
「 おれがいるのだ 。」、 という 慢心を おさえよ。 これこそ 最上の 安楽である。
徳行を たもっている人々に会うのは 楽しい。 博学な人々に会うのは 楽しい。
解脱していて 再び 迷いのうちに 生まれる事のない 真人に会うのは 楽しい。
つまらぬ 快楽を 捨てる事にって、広大なる 楽しみを 見る事が できるのであるなら、
心ある人は 広大な楽しみを望んで、つまらぬ 快楽を 捨てよ。
重い荷物を捨てたあとには、荷物をさらに 引き受けるな。
荷物を引き受ける事は 最上の苦しみである。
荷物 ( 煩悩、苦悩、欲望、怒り、高慢、執着、偏見、愛執、等 ) を 投げ捨てる事は 楽しい。
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