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目次
第一話 見事な告白
第二話 青い猟服
第三話 長い旅路の終り
久生十蘭(ひさお・じゅうらん)(1902~1957)は、北海道函館生まれの作家・演出家。新聞記者を経て演劇界に入り、岸田国士に師事。その後パリに五年ほど遊学し、帰国後に創作活動を始める。時代小説、探偵小説、児童文学、ノンフィクションなど様々なジャンルを手がけ、そのいずれにおいても成功を収めるという特異な作家として知られている。
今回取り上げたのは、パリ警視庁の検察官が綴った回顧録の一部を久生十蘭が訳し再構成したものです。原文は探し当てられなかったのですが、おそらくは久生十蘭が多少なりとも手を加えた部分はあったでしょう。
「変装殺人」とは、本文にある通り、自分がやった殺人を他人がやったように見せかけるもので、原作者が経験した変装事件のうちで印象的なエピソードが三つ開かされています。
私は昔からこういった実録物が好きですが、この作品は特にミステリー好きには胸に刺さるものがあるのではないかと思います。
ぴったりの声がなかったので、観念して自分で朗読しました。これでも学生時代に舞台に立った経験もあるのですが、今自分の朗読を聴いてみると、まあなんと滑舌とテンポの悪いこと。声の質もめっきり劣化しており、冷や汗たらたらでしたが、他にしようがないので、恥を忍んでこのままアップロードすることにします。新手のわびさび物だと思ってご寛恕ください。