この声
あの時の、、、







「ドンヘ〜?ちゃんと聞いてるかーーー?」



館長の声にハッとして顔を上げると
呆れたような館長の顔がオレを見ていた。



「ミーティング始めるぞ?」


「あ、うん、はい」



「どうしたんだよ?ボーッとして」



ひょくちぇが小声で聞いてくる



「あ、あのね…?オレ…」



言いながらチラとホンジャッチの方を見ると
同じようにこちらを見ていたらしい 彼と目があってしまい慌てて目をそらした時、ドアが開いてホンジャカンさんらしき人が入ってきた。


館「これで揃ったな。じゃあホンジャカンも座って」


「はい」



ホンジャカンさんが座ると



「館長、すみません。俺、たぶん、ホジャミーちゃんに会うの初めてだと思うんで自己紹介して良いですか?」



そんな事を言いながらホンジャッチが立ち上がる



館「え?あ、そう?会った事ない?、、、ああ、そっか、お前、出勤日数少なかったもんな。
そうだな、一回全員自己紹介しておいたほうがいいかもな。じゃあ、立ち上がったついでにホンジャッチから 張り切ってどうぞ〜」


ホンジャッチをやらせて貰ってますカン.ユジュンです。えっと〜…23歳です。今まで色んなアルバイトをしてきたんですが、この着ぐるみを着るホンジャッチの仕事が一番楽しいです。よろしくお願いします」



この人が話すたびに身体中ゾワリと泡立つ



ぎゅ「へえ、色んなアルバイトを? 例えばどんなアルバイトを?」



もう、この人の声は聞きたくないのに
きゅひょながってば余計な質問なんかしないでよ‼️



「そうですね…ここに来る前は、大手の古本屋さんでアルバイトしてましたよ」



もうヤダ!この声
ゾワゾワしちゃって気持ち悪い、、、



ぎゅ「大手の?ああ、あの古本屋さん?へえ〜 古本屋さんて重労働なんじゃないですか?」


「ねえ⁉️今、その話 どうでもいいでしょ⁉️」
そんなこと聞いてる場合じゃないでしょーが‼️ホンジャカンさんのジコショーカイがまだでしょーが⁉️」


館「どした?ドンヘ、しょーがしょーが言っちゃって ご機嫌ナナメちゃんだな?おねむになっちゃったんでちゅかあ?
キュヒョナ、ドンヘがおねむでグズってきちゃったから、ちゃっちゃと自己紹介終わらせよう」



グズってきちゃったってナニよ⁉️
館長め‼️オレんコトお子ちゃまあつかいすんなっ‼️プンプン



ぎゅ「じゃあ、ホンジャカンさん、自己紹介をお願いします」


館「なんでお前が仕切ってんだよ?」


ぎゅ「館長、ちょっと黙ってて貰っていいですか?」


館「あ、はい」



館長がお口チャックするとホンジャカンさんが立ち上がって自己紹介を始めた。



ホンジャカン役のパク.シウ25歳です。
この前までドンキードンキーでお掃除キツネとしてキツネの着ぐるみで掃除のアルバイトをしていました。
なので、着ぐるみは慣れているで楽しんでやっています。、、、っと、こんな感じでいいかな?」


ぎゅ「ドンキーで掃除のバイトですか?
そう言えば あそこんちってお掃除キツネとお掃除タヌキって2つのチームがあるんですよね?」


「うん」


館「そうなんだ?ふぅ〜ん、、、」


ぎゅ「で、そのお掃除キツネとお掃除タヌキチームでダンスバトルとかやったりして マジ楽しませてくれるんですよ〜」


館「じゃあ ホンジャカンはダンス出来るんだ?」


「ダンスって言っても本格的なものじゃなくて簡単なヤツですよ?」


館「でも、出来るんだよね?いいねえ ウチはヒョクチェも身のこなしが軽いしドンヘもこう見えて結構、動けるんだよ」



こう見えてってなにさ?
てか、どう見えてるのさ?



ぎゅ「おれの名前をなぜ言わない⁉️おれだって動けますけどね⁉️てか、何考えてるんですか?まさかドンキーの真似してウチらの事も踊らせようとか?」


館「真似じゃないよ。リスペクトだ‼️」


ぎゅ「良いように言うてますけど、結局マネですよね?あのね?館長、二番煎じはウケませんて」


館「いや、ウケ狙いで着ぐるみにダンスをやらせようってんじゃないんだよ」


ぎゅ「マジでやる気ですか?やめた方がいいですって」



きゅひょなと館長がアホみたいな事でやいやい言い合っている。

そんな事より このミーティングを早く終わらせてほしいって思いながらため息をついていたら



「ドンヘ?」



ひょくちぇが小声で声をかけてきた



「なあに?」


「どうした?」


「え?」


「お前の様子がいつもと違うから、具合でも悪いのかって心配になった」



ひょくちぇ♡



「シンパイしてくれて ありがと♡ぐあいが悪い訳じゃないの。、、、」


「けど、調子悪そうだよ?ミーティング始まってすぐ何か言いかけたろ?」


「あ、うん…」


「なに?」


「今はちょっと…あとで話す」


「具合が悪いんじゃないなら良かったよ。わかった あとでな」



優しく言ってオレの手をぎゅって握ってくれる
ああ、ひょくちぇが優しくてクラクラしちゃうよ。



ぎゅ「じゃあ次、ホンジャムくん」


ホンジャム役 イ.ヒョクチェ23歳です。よろしくお願いします」


ぎゅ「おわり?アッサリしすぎじゃない?」


「ドンヘが体調悪そうだからさ。さっさと終わらせたいんだよ」


館「え?ドンヘ、体調悪かったの?静かだから変だと思ったよ。大丈夫か?」


ぎゅ「大丈夫じゃないでしょ?アホは体調悪くならないって言うじゃないですか?なのにアホなドンヘが体調悪いなんて相当ヤバイですよ」


館「それを言うならアホは風邪ひかないだろ?
え?アホなのに風邪ひいちゃったの?そりゃあヤバイ!今日はもう帰りなさい。ヒョクチェ、その可愛いアホを送ってあげて!ちゃんと家まで送ってあげるんだよ」


「アホアホ言い過ぎだしょーが!ハゲ館長め!」


館「ハゲてないわ!どちらかというとカッコイイ方だわ!結構モテる方だわ!ムカムカムカムカムカムカ



ぷりぷり館長にオレとひょくちぇはミーティングルームを追い出されてしまった。



「体調がわるいわけじゃないのにダイジョーブなのに…」



駅に向かう道、これ以上ひょくちぇに心配をかけたくなくてオレは大丈夫だと伝えたら



「でも、あそこに居たくないって顔だった」



とか言う



だから、、、あそこからオレを連れ出すために
どんへの体調が悪そうだって言ってくれたの?




ああ、
やっぱり オレ、このひとが好き、、、。


































つづく