「わっ! こんなに、近くに、居たんだ。」

「そう、最近、引っ越して来たの。」

その人は、相変わらず、肩まで髪を伸ばし、肌は女性張りに艶やかで、
心なしか、背が高くなったように、見えた。

引っ越したという、マンションらしき部屋は、私が知っている6畳一間のアパートではなくて、
天井の高い、おしゃれな一室だった。

そうよね、学生じゃないもの、いっぱしの社会人。
それも、かなり、頑張って上り詰めたものね。

衣食住だって変わる、のに、
あなたの様子は、ちっとも変わっていないのね。

私は、歳をとり、しわやシミが増え、
からだが、なだれている というのに、
不公平だ と思った。


「もう、二度と、お会いできないのだと、何回も、泣いたのよね。
手が、届かない って。」

「こんなに、近くに居たなんて、
また、会えるんだ。

心配しすぎたよ。」

私ばかりが、しゃべっていて、

彼は、微笑んでいるばかり。

「いやあー、ほっとしたよ。」

やっばり、笑っているだけだった。





人は、会いたい人に、

どこに行けば、会えるのだろうか。

その答えを、探して、

私はウクレレを習い始めた。

イズラエル・カマカヴィオレが、

奏でた

over the rainbow

が、弾けるようになって、

虹の彼方に居る人たちに、会いにゆく。


けれど、その道は、遠く、

さらさら流れる川の流れのように

不確かだ。

だから、

会いたい人は、

道しるべのように、

夢の中に、やってくる。


目覚めたら、

これだけが、残っていた。

彼が書いた手紙。











Android携帯からの投稿