仕事を早めに終わらせ、車を手配し、急いで着替え17時に横浜で待ち合わせ。
車に乗る二人と考える暇もない突然の旅行。
少しの緊張を伴いながら右ウインカーを出し、これから訪れる未知の旅はスタートした。
横浜新道から抜けると大渋滞で、カーナビの19:20の到着予想はみるみる針を進めていった。
19:00
渋滞の中、一番最初に目に止まったローソンに車を止める。
(思えば、湘南に向かう際、たくさんの女の子とこの場所で休憩をした。)
「お腹めっちゃすいたー」
と言う二人だが、変な物は食べたくない。
甘いジュースで我慢し、再び車に乗る。
目的地まで50キロ。
一体何時になるんだろうか・・・
ラウンドワンを過ぎ、平塚に着く頃には車は快調に進んだ。
橋を渡り、平塚市という小さい看板を見ると、夏に告白し、振られたスト高の娘が頭をよぎった。
(こんなに遠くから、家まで来てくれたんだな・・・)
もう渋滞はない。
西湘バイパスを通ると、暗い道の中、隣の娘が星の美しさに感動し、目を奪われている。
運転席からは山側で、海側の星は見えない。
…俺はイタズラ心から車のライトを全て消して、街灯もない真っ黒闇で彼女を怖がらせ注意をひいた。
怖がる彼女。
(そういえば、去年の岩手旅行の山の中で、闇の恐さを味わったことがあったな・・・)
県境のパチンコ屋を過ぎると静岡市だ。
「この信号を過ぎると静岡市に入るよ」
「え?熱海って静岡なの?」
栃木出身の彼女に得意げに言ったものの、カーナビは言うはずだった
「静岡県に入りました」
の一言を沈黙し、辺りはまた闇に包まれた。
しばらく山道を進むと、この時間に熱海に向かうのは初めてだと知った。
辺りの闇をよそに車を走らせると、突然光が見えてきた。
熱海に着いたのだ。
つづく