あなたはそうやって
何の前触れもなく 突然やってくる
わたしは待ってばかり
・ ・ ・ ・ ・ ・
(カチャ…)
びっくりした…
来るときは連絡してって
言ったのに
心が跳ね上がって
そう言ってみたけれど
まるであなたは
何も聞こえていないみたいに
………
………
ちょっ…ちょっと待って
目を瞑って拒んでみても
心がきゅっと痛くなって
なみだを流していても
やっぱりあなたは黙ったままで…
その美しい「あなた」で
わたしのなかに伝えてくる
「好きだよ」
「痛くしてごめん」
「好きだよ」
「好きだよ」
そう優しく呟いて
わたしの心のまんなかを
そっとなぞるように
真っ直ぐな言葉と
あなたと分かる
その「感覚」を残していくから
好き…あなたのことが好き
好き
好きなの
大好きなの
「次はいつ逢えるの?」
聞けないままのわたしは
とろとろ溶けながら
あなたの残した「感覚」に誘われ
また一人で沼に堕ちていく