弟夫婦が墓参りに来ると言うので一緒に連れてってもらうことにした。
一昨年の蜂窩織炎と去年の背骨の圧迫骨折でろくに墓参りに来れず去年の春の彼岸に来たきりで盆暮れも弟夫婦に任せっきりだったから少し動けるようになったんで、たまには行かないとなと弟に頼んで迎えに来てもらったが、嫁さんのトイレの世話が終わらず仕方なく先に行ってもらい後から自分で行くことにした。
うちの菩提寺は車で10分ほど山に入った所で、その昔、韮山(今の伊豆の国市)は蛭ヶ小島に流された源頼朝が、ある時期を過ごしていた歴史好きな人からしたら由緒正しい山寺だが、こちらとしたら、へえ、そうなの?程度の想いしかなくたいへん申し訳ない。
お寺に着くと駐車場には他にも3台ほど車が停まっていた。
弟の車の横に車を停めてお墓までの砂利道を杖を突きながら歩くと杖が砂利に埋もれてしまい、非常に歩き辛い。
境内を通り過ぎると左手の奥の川の脇に、以前はムーミンという名前の白いポニーを放し飼いにしていた広場があったが、その前に柵がしてあり立ち入り禁止の札が掛かっていた。
覗き込むとポニーの姿は何処にも見えなかった。
お寺に来れないあいだ、ポニーもいなくなってしまったんだと少し感傷的な気持ちになった。
お墓に通じる細道も檀家様、墓参り以外の立ち入り禁止の看板が立っていた。
先日もテレビで外国人観光客による墓荒らしが報じられていたが、ここのお寺でも何かあったんだろうか。
うちの近所にも北条家ゆかりの神社があり、大河ドラマのモデルにもなっていたりそれ目当ての観光客が度々彷徨くようになった。
神社と言っているが、本当は北条宗時という武将を奉ったお墓で、子供の頃にそのいわれの刻まれた石碑によじ登ったり缶蹴りしたり蝉やメジロを獲ったり、それこそ近所の悪ガキ達の欠かせない遊び場だったところだ。
他にこれと言って観るものもなく食事場所や土産物を売る店もない、こんな辺鄙な所で見慣れない人間がぞろぞろ歩くのはやはり違和感がある。
お墓に着くと弟夫婦が既にあらかた掃除を済ませてくれていた。
持っていった香花と生花を花立てに供え、お線香に火を点け弟夫婦に分けて三人で上げ墓前に手を合わせた。
川のすぐ脇にあるうちのお墓は以前はこの時期は蚊の猛攻に必ず晒されていたけど、周りの木々を伐採してもらってからはほとんど蚊もいなくなって痒い思いをしなくてすむようになった。
墓参りを済ませ、うちに寄ってくか?と聞くと嫁さんの具合を気にかけてくれ寄らずにそのまま帰ると言うので手土産に缶ビールと手作りの米粉蒸しパンを渡しその場で別れた。
次にここに来れるのは暮れかな。