Rainy Blue
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【ねこ+み…】ねこみそうまさん2


ワグナリア 男子更衣室。


またもや違和感。

今は八月のまっただ中であり、いくら此処が北海道だといっても暑いくらいだ。

…きっと汗でもかいて涼しくなったのだろう……って、何て下らない事を考えているんだ俺は。

一人悶々と下らない発想と格闘していると、奴が心配して顔を覗き込んでくる。


「佐藤君?大丈夫?何かぼーっとしてるけど…」


「…ああ………ッてお前…なんつー格好を……」


きょとんとする奴から目を背ける。

今煙草を咥えていたら、特大級の発作…いや、咽ていただろう。かなり。


奴は俺の顔を覗き込むように中腰になり、やはり赤い顔をしている。

ボタンを留めていない、肌蹴たキッチン用の服から垣間見える

鎖骨の盛り上がりと薄い胸板。

そして、丈の長いソレからすらりと伸びる、白い脚

嗚呼、もう少し、もう少し屈めば腹の奥、臍の方まで見通せるのに……いやいや、

こいつは男であり俺も男であってそうだ少し落ち着こう煙草煙草煙草…


「えっ…ごめんね、ちょっと暑くて……いやー、今日は凄く暑いね!身体が火照るよ!」


はい、と俺が落とした煙草のソフトケースから一本取り出して、同じく落としたライターと一緒に

差し出し、屈託の無い笑みを浮かべる相馬。


「ゲホ…ああ、はい、どうも………お前、火照るとか言うな。こっち向くな。」


部屋の隅に蹲り、手を伸ばし奪い取った煙草に火を点ける。

が、手が震えて上手く出来ない。

やっと火が点いた煙草を口に捻じ込む。苦い。冷静になれる気がする。

が、俺の顔は相変わらず茹でた蛸のよう。


「ご、ごめんね?何か気に障ったかな、とにかく、着替えてきてね?…ごめんね」


俺のうろたえっぷりを相馬は「怒っている、それもものすごく」と勘違いしたようだ。

きっとこの場に隠してあるフライパンを取り出し暴れるとでも思ったのか。

それとも小鳥遊の制服が収納されたロッカーを軽々と持ち上げ殴り掛かるとでも?


…何故だか、愉快な気分になってきた。煙草も、もうすっかり短くなっている。

更衣室は禁煙だったのだが…まぁ、仕方がない。過去に何度か此処で吸っている。

ポケットを弄り、見つけ出したキャンディの包み紙に煙草を押し付け、捻り潰す。

引火するかと思ったが、見事に煙草の火は消え、有害そうな茶色い中身が少し零れた。

それをかき集め、キャンディの包みに包み、ゴミ箱に捨てる。

これで何があったのか誰にもわからないだろう。証拠隠滅。

ただ、匂いだけは残ったので、曇りガラスを少し開ける。

ぬるい風を肌で感じながら、白いエプロンに身を包み、

相馬の待つキッチンへと向かった。



【ねこ+み…】ねこみそうまさん1


朝。


何時も通りバイトへ向かう支度をする俺…こと、佐藤潤。

天気は快晴、予報によると、今日一日は雨の心配は無いと言う事だ。

俺は素直に其れを信用し、小さめの鞄に、

ハンカチ、ティッシュ…餓鬼の頃からの習慣であり、決して俺が女々しいとか、そう言う訳では無い。断じて。

……諸々の必要だと思われる物を詰め込み、家を飛び出す。

携帯電話をぱちりと開くと…少し遅刻気味だ、急がねば。


愛車に乗り込み、エンジンを蒸かす。

…蒸かす?…何か、何かを忘れている気がする。

脳裏にちらつく青い髪、包丁を使う小気味良い音と、細い首筋。

にこりと、少し淋しげに笑ってみせ、手を振った…いや、あいつの事はどうでもいい。

肺の奥からせり上がるような嫌悪感、不快感、全てを消し去るように車を発進させる。


肺?そうだ、どうりでムカつくと…

昨日、朝から晩まで働き詰で、ろくに煙草を吸っていない。

帰ってきてからも夕食を摂ったり入浴をしたりと、中々煙草を吸う機会が無かった。


まあ良い。休憩までの辛抱だ…。

それともエプロンへの着替えという名目で。隠れてこっそり吸うか?

下らぬ事を考えているうちに、俺の勤め先…「ワグナリア」というファミレスへ到着。


車のドアをばん、と閉め施錠をする。

其処で、ある男を発見する。


「相馬。」


呼びかける。

男はぴくりと一瞬硬直すると、ぎくしゃくと振り返る。

そののろのろとした動作に、違和感を覚えた。


「…あ、佐藤くんか…おはよう」


そう言うと、偶然だね、と笑って見せた。

偶然などではない。今日は同じ時間帯に一緒に働く事になっている筈だ。

若干赤い顔をして不思議そうに笑うそいつ…相馬博臣に、

俺はますます違和感を感じる。


「どうした相馬、女にでも叩かれたか?」


奴は良く下らない冗談を言う。

今のは軽い仕返しだ。この極悪人に女など居る訳がない。

…女…、何故だか、少し不安になる。

こいつの事など、別にどうだって…


「…で……でさ………ねえ、佐藤くん?聞いてた?」


はっ、と我に返る。

目の前には、相変わらず赤ら顔の相馬

そして、腕組みして考えに耽る俺


相馬は話を丸々無視された癖に笑って

寒いから店に入ろう、と促す。

俺はすまん、とだけ言い、奴に続いた。



自己紹介


必要だと思うので、簡単に済ませたいと思います。




名前 → 霞憐 かれん


性別 → 淑女


職業 → 非公開。スパイとして置いて下さい。


趣味 → 人間観察・小説(とは呼べない代物)を書き綴る事






当ブログでは、様々なジャンルの小説(と言う名の駄文)を

主に書き綴っております。

其れに嫌悪感を感じる方は今直ぐ回れ右。