焦っていた。
青ざめるくらい焦りまくっていた。
「運転手さん急いで下さい!6時24分の新幹線に乗らなくてはならんのですっ!」
午前6時。
飛び乗ったタクシーの運転手に必死の形相でそう伝えた。
“同僚チアキちゃん北アデビュー山行”
誕生日プレゼントとして1年越しで計画した山行。
なんと目覚めたのは5時40分だった。Σ(゚Д゚;
まさかの寝坊でおじゃんにしてるバヤイではないのである。
運転手さんのお陰でなんと6時15分東京駅着。(早っ!)
無事、長野行き始発新幹線に乗る事ができた。
マジ、シャレにならん。。。。_| ̄|○
その後は時刻表通り長野駅に8時5分着。
アルピコ交通のバスに乗り換え9時30分、白馬八方予到着。
インフォメーションセンターでゴンドラとリフト券を購入し
いざ、ゴンドラアダム駅へ。
ここからはゴンドラとリフトを乗り継ぎ、一気に標高1830mまで。
あっという間に八方池山荘に到着。
時間が遅い事もあって、登山客というよりは
散策に訪れた観光客でごった返している。
八方池山荘のポストに登山届を投函していざ出発。
とは言うものの、老若男女、大勢の人で全くペースが上がらない。
やっとの事で第2ケルンに到着。
抜けるような青空。人が多い事意外は最高のロケーション。
八方池まで蟻の行列のごとく人の列が続いているのが見える。
12時ちょうど。
八方池の周りは観光客で賑わっているので立ち寄らず
人を避けたところでお昼ご飯にしよう。
穏やかに水をたたえる八方池の向こう側に迫力ある不帰ノ嶮。
約半年振りの光景。
時折吹く風は涼しく乾いていて、少し秋を思わせる。
あー、やっと戻って来れた。
感慨に耽っている先で
この雄大な光景を写真に収めているチアキちゃん。
あまり多くを語らないが、楽しんでくれているかなぁ?
さてさて、あまりのんびりもしてられないので
お昼ごはんの支度にとりかかる。
この景色の中だと、ただのバーナーとコッヘルさえ
絵になるから不思議だw
この日のお昼はオムライスカレー。(詳細は山メシ編にて)
30分程でお昼ごはんを済ませ更に先へ。
八方池を過ぎると観光客も減り、
人が疎らになった登山道を進み唐松岳を目指す。
八方池の先に突如として現れるダケカンバの樹林t帯に突入。
これは八方尾根特有の植生の逆転現象。
すこし暑いくらいだったこの日は木陰の中を歩くのも気持ち良い。
そして、ここからはチアキちゃんが前を行く。
いつもレナの後ろを歩くチアキちゃん。
人の後ろにくっついて何も考えずに歩いているんじゃつまらない。
ってな訳で自分で足場をよく見て、どのルートを歩くか自分で考える。
そんな楽しみをひとつ味わってもらった。
登山道の周りには秋のお花が咲き始めていた。
ハクサンジャジン?(沢山咲いていた。容姿が可愛らしい)
お宅はどちらさま?緑グラデーションが美しい
タテヤマウツボグサ
クルマユリ
そろそろ雪渓が見えてきた。
暑さとダラダラと続く登りでペースの上がらないチアキちゃん。
扇雪渓で休憩しよう。
扇雪渓には小学生十数名のパーティーが休憩中。
雪を手に取り、お互いの背中に入れ合ってふざけいているのが楽しそう。
みんな元気!(´∀`*)
雪渓を過ぎればもう少しで丸山ケルンだ。がんばれ!
奥に凛々しい五竜岳も見えてきたよ。
ちょっとしんどそうだね。大丈夫かな?
沢山お花が咲いているけど、
チアキちゃんにはお花を愛でる余裕が無いようで。。。(´・ω・`)
オヂサン(レナ)はお花摘み(撮影)に勤しみますw
ハクサンボウフウ?(自信なし)
コイワカガミ
コバイケイソウ
ママハハコ
さあ、ここからが真骨頂だ!
お盆の中日のせいなのか、登山道は思ったほど人も多くない。
青い空と白い雲。
瑞々しい緑に覆われた斜面にはお花がいっぱい!
永遠にここを歩いていたいとさえ思える。
そしてこの登りを越えると・・・
丸山ケルンに到着!
まるで手に届きそうなところに白馬三山が。
あの稜線を昨年は縦走したんだなぁ。。。(遠い目)
成長する入道雲はもう目の高さ。空が近い!
最高の景色。
テンションうなぎ登り!!!
稜線を抜ける風が本当に気持ちよい。
何度見ても飽きることの無い景色。
やっぱり北アルプス、好きだ。(*´д`*)
そして、またここに来れた事に感謝。
何時間でもここにいられたら良いのに。
この素晴らしさ、チアキちゃんの心には届いたかな。。。
すっかりガスの晴れた五竜岳。
その向こうには双耳峰の鹿島槍がチラリズム的に見えるw
あー、鹿島槍も縦走したいなーなんて思いがフツフツと湧いてくる。
こんなに天気が良いなら五竜まで縦走しちゃおっか?
(ムリムリムリムリムリムリーーーーーーーっ!(´д`) とチアキちゃんwww)
いつも単独行で、カメラマンがいないので
カッコつけた写真をチアキちゃんに撮ってもらうw
(恥ずかしいのでちっちゃめで。。。)
丸山ケルンから唐松岳山荘まではあと30分。
色々な種類の花達が咲いていて飽きさせない。
そんな訳でずーっとお花の撮影で忙しいw
ミヤマリンドウかな?
ウサギギク
アオノツガザクラ
チングルマ。「ねえ、ねえ」ってみんな一斉にこっちを向いて話しかけてるみたいw
登山道の脇を縁取る様ににチングルマの列が。なんとも愛らしい。
「チアキちゃんって高所恐怖症だっけ?」
「いや、大丈夫だけど?」
そっか、良かった。
左側が切れ落ちたこの木道が心配だった。
なん無くアッサリ通過。
山荘が見えてきた。
15時、唐松岳山荘到着ーヾ(゚ω゚)ノ゛ ほぼCT通り。
受付で宿泊の手続きを済ます。
この日はそこそこの混み具合。
受付のお嬢さんに食堂にすぐ行ける本館を勧められる。(追加800円)
が、北館の方が空いているとの事なので北館に決定。
北館も改築からさほど経っていないので素晴らしくキレイです。
この日は4畳の部屋を女性5人で使用する事となりました。
本館には小さな自炊室もあります。
キレットへ行く方の為にヘルメットも貸し出し中。
ザックを降ろしたら、受付正面の売店で早速生ビールをゲット。(生ビール800円)
山荘入口の前のベンチを陣取り、まずは・・・・・
かんぱーい!(*´∀`)♪
ぷっはーーーーーーーーーーー(´ρ`)
たまんらんですばい。
唐松岳はガスって来ちゃったけどね。(;´∀`)
夕飯まで2時間弱。宴の開始!
まずは、缶つまシリーズの「エリンギとマッシュルームのアヒージョ」
いつもはキノコを持参してアヒージョを作るレナだが
これは既に完成形。超ー便利!
バーナーであっためて。。。
しかし、風が強くてなかなか温まらない。(;´Д`)
そうこうしてる内に生ビールが無くなっちまった。
そんな時の為に(いや、節約の為に)下界から缶ビールを2缶背負ってきたので
すかさず2杯目いただきまーす♪
アヒージョをつまんでる間に2品目。
オリーブ、うずらの燻製、ソーセージのピンチョス。(詳細は山メシ編で)
(あえて言うが“串焼き”ではない。シャレオツなピンチョスであるw)
さらに3品目。
ハムと燻製チーズのピンチョス。 ピンチョスだからね。(こちらも山メシ編で)
あ、とっくにビールなんか飲み干しちゃって、
これまた下界から背負ってきたワインに突入www
外気温もだいぶ下がって来たが、胃袋はワインでホカホカ。
お隣に座って食事をしている親子三世代の方達と
軽~く交流もしちゃったりして、
ピンチョスなんかも子供達におすそ分けしてみたり。。。
とっても楽しい宴は程無く終了。
山荘についてからずっとガスっていたのだが
夕飯を済ませ、歯を磨きながら窓の外を眺めると。。。。
なんと夕日に染まる剱岳が!!!
口の中に歯ブラシをつっこんだまま
「チアキちゃん凄いよ!窓の外の景色が凄いよ!」
思わず言葉にすると
そこらへんにいた皆さんも一気に窓の外を眺め、いそいそと外に出始めた。
チアキちゃんと慌てて外に出て夕日に染まる剱岳を眺める。
素晴らしすぎる。
なんて贅沢な景色、時間。(TДT)
「寒いから中、入ってるね」
と言い残し戻っていったチアキちゃんをほったらかして
1時間も夕焼けショーを堪能。
剱岳のシルエットの上に燐と浮かぶ三日月。
完全に日が落ち、身体も冷えたのでいったん退散。
2、3時間ほど眠り、再び22時過ぎに起き上がる。
何故なら雲ひとつ無い今晩はきっと満点の星が見えるに違いないから。
そして、2日後にピークを迎えるペルセウス座流星群。
きっと流星も沢山見れるだろう。
外に出ると、息を飲むほどの満天の星空。
頭上を天の川が横たわる。
あまりの美しさに言葉が出ない。
北島康介風に言えば 「なんも言えねぇ」 だな。
唐松岳と星空をコンデジで撮ってはみたものの、さすがに厳しいですな。
↓一応天の川。 じぇんじぇんダメッすね。_| ̄|○
気がついたら1時間も星空を眺めていた。
そして約1時間の間に見た流星は12個。
あまりにも美しい景色を堪能し尽くした1日目の夜は更けていく。
稜線で歩きながら聞いたのはこのアルバム
- 美しき生命 【通常盤】/EMI MUSIC JAPAN(TO)(M)
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剱岳のシルエットと三日月を眺めながら聞いたのはこの曲 - Amazon.co.jp