幻覚で局部が怪獣に? 男性変死、高まる自殺の可能性 産経新聞 1月22日(日)21時6分配信

【衝撃事件の核心】 東京都昭島市のアパートで今月16日、局部を切断されたタク シー運転手の男性(49)の遺体が見つかった“事件”。警視庁は殺人事件とみて捜査に 乗りだしたが、具体的な犯人像は浮かばないまま。その後、男性が薬物を使用していた 疑いが浮上し、自殺の可能性も高まってきている。男性はなぜ死亡したのか。局部はな ぜ切り取られたのか。謎に包まれた男性変死を追った。

■「あるべき物がない」 血の海のベッドの下に…

16日午前10時過ぎ。男性の自宅アパート前を訪れた勤務先のタクシー会社の上司 は、胸騒ぎに襲われていた。

男性は連休を終えて、14日に会社に出勤する予定だったのに、いまだに出勤してき ていない。新聞受けにたまった新聞は外廊下にこぼれ落ち、ドアのチャイムを押しても 反応がない。

「何かがおかしい」。上司は迷った末、ドアノブをそっと回してみると、鍵はかかっ ていなかった。ドアを開くと直後、想像を絶する光景が目の前に広がっていた。

2DKの6畳間のベッドに、全裸に靴下だけを履いて、血だらけの男性が倒れてい た。

「死んでいることはすぐに分かった」。上司は、当時の状況を言葉少なに振り返る。 仰向けのまま大の字になり、手は「バンザイ」をした状態。床は血の海だった。変わり 果てた男性の姿に絶句しながらも、上司は、すぐさま110番通報した。

間もなく駆けつけた警察官は、遺体の異様な状態にくぎ付けになった。「男性の体に は、あるべき物がなかった」(捜査関係者)からだ。局部は切り取られ、男性が倒れて いたベッドの下にあった。

■侵入者の形跡なし 謎が深まる現場

局部だけではない。警視庁の調べでは、男性の首や胸などには、刺し傷や切り傷が4 カ所あった。遺体は死後2日以上がたっているとみられた。発見当時、玄関の鍵も開い ていた。遺書もなかった。

警視庁本部の捜査1課が乗り出し、何者かに殺害された可能性があるとみて、本格的 な捜査を始めた。しかし、捜査1課はすぐに殺人事件と断定はしなかった。現場の状況 を精査した結果、「自殺の線を消しきれなかった」(捜査幹部)からだ。

男性の腕などには、刃物で襲われた際に体を守ろうとしてできる防御創が見当たら ず、室内には物色された跡もなかった。しかも、男性が負傷した後、室内を歩き回った ような血の付いた足跡が残されているのに、他の人物が侵入して屋外へ立ち去ったよう な足跡は確認されなかった。

誰も侵入していないとしたら、なぜ…。「すべての体の傷は、男性が、自分でも刺す ことが可能な場所にあった。負傷の程度からみても、けがを負った後、男性は即死した のではなく、しばらく動き回れる状態にあった。つまり自分で自分を傷つけて、部屋を 歩き回り、死亡したのではないか…」。ある捜査幹部は、こう分析した。

■女性とトラブル? 夜中に怒鳴り声

男性は、4年前から八王子市内のタクシー会社で勤務していた。上司によると、勤務 態度はまじめで、社交的な性格だったといい、人間関係のトラブルもなかったという。 同僚とボウリングに行くなど、周囲に慕われていた様子もあった。

しかし、近所に住む住民は、男性の別の一面を目撃していた。

「夜中、女性と、とっくみあいのけんかをしていた。『殺すぞ』『ふざけんじゃね え』と、ものすごいけんまくで怒鳴りあっていた。何度か警察も来ていた」

男性は独身だったが、交際していた女性がいた。ある同僚は「女性を『オレの嫁』と 紹介された。仲が良さそうで、トラブルとは無縁だと思っていたが…。何があったのだ ろう」と振り返る。

男性にトラブルがあり、事件に発展した可能性はないのか-。警視庁はこうした視点か らも捜査し、女性らに事情聴取もした。しかし、容疑者特定につながる有力な情報は得 られなかった。

■男性の体内から検出された薬物

その一方で、男性の「自殺説」を裏付ける有力な“証拠”も浮上した。男性の体内から 「覚醒剤」の成分が検出されたのだ。男性の腕には注射痕も残っていた。

しかし、覚醒剤を使った男性が、幻覚を見るなどして自らを刺したとして、自分の局 部まで切り取る可能性はあるのだろうか。

杏林大学医学部の佐藤喜宣教授(法医学)は「生きているうちに局部を切り取った場 合、相当量の出血と痛みを伴う。しかし、薬物の使用で局部が怪獣に見えるなどの幻覚 が現れ、退治しようと切断した可能性は否定できない」と分析する。

男性はなぜ、死亡したのか。警視庁の捜査が続いている。

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見ようによってはクリーチャーに見えんこともないけどさ、いくら薬物してたからといって自分のち○こ退治するかね…。