仲良くなった娘とアビー。二人が遊んでいるのを見ていると

本当に微笑ましかったものです。私は楽観的に、これからも

ずっと、親友として仲良く育っていれたらいいなと思っていました。

 

アビーのお母さんはいい人でしたが、自分の意見はハッキリと

言う人でした。いろいろな話をするうちに、アビーとアビーの妹、

そしてアビーのお兄さんは、実子ではなく、アダプトした子供達で

あると教えてくれました。

 

妊娠できない身体だと医師から言われていたのだそうです。

もっとも、最後に、幸運にも自分の子を授かることができ、

その子が家族の末っ子の男の子でした。

 

アビーとアビーの妹は、同じ実母から引き取ったのだとか。

ドラッグ中毒の若い女性から生まれたアビーは、生まれた時

から、当然薬物の影響を受けていたようです。それが直接

アスペルガーの原因となっているのかはわかりません。

 

そして、アビーを引き取って2年後、また妊娠してしまったその

女性本人からの要望で、次の子も引き取ったのだそうです。

 

アビーとアビーの妹は実母は同じ、実父は多分別。でも、

いい家庭に引き取られたので幸せではあったでしょう。

 

オープン・アダプションであったらしく、アビーは実母の存在を

知っており、時々会うこともあるようでした。実母にはもう新しい

家庭があって子供もいるという状況で、幼いながらも

 

「なぜ、自分はこのお母さんと暮らしていないのだろう?」

 

と考えることがあるようで、養子に迎えられて愛されて幸せなの

だけれど、複雑な想いが心を交錯していたようでした。

 

Show and Tell (何か自分の思い入れのあるアイテムを学校に

持ってきて、それを皆に見せて説明する、というこちらの学校で

よく行われるアクティビティー)のときは、いつも実母に貰ったという

ぬいぐるみをギュッと胸に抱きかかえて持ってくる、と聞いたことが

ありました。

 

バックグラウンドは違えど、アビーも娘も発達障害を抱えていて

他の子達とうまくコネクトできないのは同じ。お互いを見つけて、

仲良くなれて毎日楽しそうでした。

 

もっとも、一番ハッピーだったのは、楽しそうな娘の顔を見ること

ができた私だったかもしれません。