撮影日 2022.4.9
撮影場所 JR西日本山陽本線 岡山駅
※フラッシュ不使用で撮影
前回に続き、昨年春の山陰旅行の記事です。
この時の旅の目的は、去る3月に復刻されたばかりの381系旧
国鉄色復刻編成に乗車する事でした。
40年にわたり「やくも」の主役として活躍してきた同系ですが、
遂に新型振り子式特急形電車273系導入で置換が決定しました。
そのはなむけでしょうか、登場時の塗色への復元が決まり
6連1本に施工されています。
20系→151系「こだま」以来、長く標準だった旧国鉄特急形電車
標準色が久々に国鉄型特急電車に施されるというので、早速
乗りに行きました。
(一枚目)
・夕方の岡山駅のホームに滑り込んできた381系です。
運用は固定されていて、撮影時点では「やくも」8・9・24・25号の
運用でした。
これは「やくも」24号で岡山駅到着18:39でした。
この復刻色編成は岡山方先頭車からクモハ381-507+モハ380-66+サハ
381-231+モハ381-71+モハ380-71+クロ381-141です。
岡山の381系は固定編成では無い為編成番号は有りません。
(二枚目)
・岡山方6号車、クモハ381-507です。
元は1981年川崎重工製のモハ381-66で、1986年に短編成化で
運転台を設置しクモハ381形クモハ381-7となりました。
その後自動解結装置・電気連結器を設置し500番台に改番されて
います。
元から先頭車だった制御車と違いデッキは運転台後部設置です。
連結運用を考慮し貫通扉が設置されているのが特徴で、エンブレムは
貫通路に張り付けられたステッカーなので迫力に欠けます。
「やくも」のHMは紫のイラストで、国鉄特急電車・気動車の定番
だったHMも殆ど見られなくなりました。
(三枚目)
・同車の側面です。
クリーム地に窓周りと雨樋・裾に赤を配した国鉄特急形電車標準色は
やはり良いものです。381系は国鉄では珍しいアルミ車体ですが
塗装されています。
一方車内に見える座席はリニューアルで元の簡易リクライニングシート
から交換されてバケットタイプのリクライニングシートです。
又車番は「ゆったりやくも」でJR西日本の標準タイプのフォントに
変更されたままなので、ここはオリジナルでは有りません。
そして車番が小さく見にくい…。
(四枚目)
・相方モハ380-66です。
こちらはパンタグラフを設置し、車端部の通風器と共に381系では
珍しい屋根上の設置物です。ガーランドベンチレーターもかなり
貴重な存在です。
行先表示器はLED化され、「特急やくも 5(号車)自由(席) 岡山」
となっていて3色に色分けされています。
(五枚目)
・窓配置が特徴的な4号車サハ381-231です。
元は1982年日立製作所製のサロ381-31ですが、「やくも」系統は
中間にグリーン車が入る本来のパターンとパノラマグリーン車が
組み込まれたパターンが混在しており、「ゆったりやくも」改造時に
全てグリーン車が先頭に来るよう統一された為、サロは全て普通車に
格下げされ、サハ381形200番台となりました。車番は元の番号を
活かしています。
LED表示器下の小窓は車掌室で、車端部の窓は改造時設置の喫煙室と
思われます。
(六枚目)
・同車の側窓です。
普通車より幅が広く、中間にアルミの仕切りが目立った2連タイプに
なっているのが特徴です。
国鉄特急形車両のグリーン車は座席配置に合わせた小窓単独タイプが
標準だった為、381系は特異でした。
どちらかと言えば2連の1段下降窓が標準だった急行形電車・気動車の
グリーン車に近く見えます。
(七枚目)
・3号車モハ381-71で、1982年日本車輛製です。
製造時の塗色に戻りましたが、転落防止幌やLED表示器そして
木目調デッキなどが製造時から大きく変わった点です。
(八枚目)
・相方モハ380-71です。
381系は低重心化を推し量っており、上の方にすぼまった独特な
形状の車体をしており、民営化後の振子式及び車体制御装置付き
車両でも引き継がれています。
こちら側の車端部には手すりが付いています。
(九枚目)
・出雲市方1号車はグリーン車のクロ381-141です。
元はクハ381-141で、1982年日立製作所です。クハ381形100番台は
0番台と異なり非貫通スタイルで登場したもので、「くろしお」「やくも」
向けでした。
サハ381-231の項で書いた様に、「ゆったりやくも」改造の際にグリーン
車に格上げされ、クロ381形となりました。車番は種車のままです。
(十枚目)
・国鉄色時代のグリーン車マークは大きなものでしたが、復刻に
際しては「ゆったりやくも」時代の大変控えめなサイズのままです。
小さすぎて目立たないのでは…。
デッキは木目調となり、床は茶色系のマーブル模様でリニューアル
され、床には注意書きが書かれています。
(十一枚目)
・座席は「ゆったりやくも」改造で683系ベースの新品に交換され、
2-1列のリクライニングシートとなりました。
可動タイプの枕の様で、大型で座り心地が良さそうです。
(十二枚目)
・分かりにくいですがデッキ寄りの列は1-1列配置で、2列側の通路側
座席部分は代わりにパーテーションが設置されています。
当り席と言えるかも知れませんが、改造車ゆえの宿命かデッキ寄りには
謎の大型テーブルが設置されています。
足置きも有りますが、広すぎて落ち着かなさそうです。
テーブルにパンフレットや飾りでも置いたら良いと思いますが…。
(十三枚目)
・同車の前面です。
こちらは製造時からの非貫通スタイルで、のっぺりとしたクモハに
比べ引き締まった前面です。
正規品?の立体型エンブレムも良い味を出しています。
ボンネットスタイルに続いてクハ183-0やクハ481-200番台等では
両開きタイプの貫通扉付きスタイルが登場しましたが、それに続き
登場した非貫通スタイルで国鉄特急形電車の完成形と言えます。
これから一度引き上げ線に入り、折り返し「やくも」25号になりますが
HMを幕回ししている最中で「試運転」が出ています。
リニューアルされたとはいえ乗務員室内は国鉄時代の薄緑色のままで、
古めかしい車掌弁?も見えます。
次回に続きます。
参考文献 JR全車両ハンドブック2004
参考HP Rail.Lab
ウイキペディア 国鉄381系電車