ある時、友人から久しぶりに​

電話があり、いつもと様子が違うので

「どうしたの?」と聞くと、健診で
癌が見つかったというのです。

 

特殊なリンパ癌で、電話越しに
「死ぬかもしれない」という
どこか現実味を持たない言葉が
遠くで聞こえてきました。

 

人は本当に信じられないことが
起こったとき、顔が笑うんだなと
心の片隅でぼーっと考えていました。

 

友人は仕事で一時的に離れた場所に
いたので、時々メールで状況を聞く
日々が続きました。

 

その後、当初入院していたところから、
本人の実家のある街の病院に転院。
その病気の症例を多く扱っている
専門病院でしたがいつも不安でした。

 


意思の強い人で入院中は自分の
両親ですら病室に入れませんでした。
当然、私もお見舞いには行けず、
身体がツライこともあり、段々と
メールは少なくなっていきました。