あれから、娘達は一言も口を聞いてくれない。

母親の死を隠してた報いだとは、分かってる。

でも、娘からの無視は孤独感のみだ。

月日が、癒してくれると信じ時を貪り食う日々が続く。

ある日の朝、けたたましく家の電話が鳴る。

うちにとって、この時間帯の電話は尋常でない。

リナが亡くなったひをフラッシュバックさせる。

子供達は、無視。

しょうがなく、僕が電話を取る。

電話口で、喫茶店のマスターが。

「アリサが、事故にあった!集中治療室に入る際に、君の名を…君のなを、口にして。

とにかく、来てくれないか。病院は、…リナの入院してた病院だ!とにかく、早く来てくれないか。アリサまで、アリサまで、…」

そう言って、電話は切れた。

車に、娘達を乗せてエンジンをかけた。

頭の中で、

「何故、何故、アリサさんまでも」

悔しかった。

リナを失い、アリサさんも失うのか!

僕の心の中で、

「アリサさん、アリサさん、アリサさん、どうして、どうしてなんだ‼︎」

ハンドルを握る手は、あぜばみ。

額からは、汗が滲み出てた。

病院までの道のりが、これ程にも苦しく重く感じたことは無い。

どれだけ、走っただろう。

気付けば、病院の灯りが見えてきた。

数分後、病院の駐車場に着く。

子供達の手を取り、病院内へ。

受け付けで、アリサさんの事を聞く。

集中治療室で、治療を受けてるのを聞く。

子ども達は、涙をこらえるのが精一杯。

僕頭の中では、

「何故、何故、何故なんだよ」

その言葉が、連呼する。

集中治療室に行くと、マスターがいる。

子供達は、涙を滝のように流し。

僕は、マスターに声を掛けた。

僕は胸がいっぱいで、言葉が出なかった。

それを、知ってか知らずかアリサさんが、話し始めた。

「あの映像の、お姉さんは、アリサお姉さんの妹で…リナて言うのよ。」

子供達は、僕の顔をみて。

「どうして…パパ泣いてるの?」

アリサさんが、

「リナお姉さんは、パパの奥さんで、君たちのお母さん。」

娘達は、写真と見比べて。

「パパの嘘つき‼︎パパの妹の写真とそっくりじゃん‼︎妹じゃなくて、本当は、ママだったじゃないか‼︎」

ぼくは、嘘つきだ。

リナの死を受け入れない自分。

とてつもない虚無感。

子供達には、味合わせたくなかった。

知らなければ、知らないで。

今の家族を受け入れて過ごして欲しかった。

子供達は、母親の死を知ってしまった。

子供達は、アリサさんに、

「ママ…本当は、死んじゃてるの?

遠くにお仕事、行ってるんじゃないの?」

アリサさんは、泣く子供達を抱きしめて、

「ゴメンね…」

と、一言いうのが、精一杯だった。

泣き疲れて眠ってしまた子供達を、ベットに寝かす。

アリサさんが、コーヒーを入れてくれた。

ソファーに座り、コーヒーを一口飲む。

深いため息を着くと、アリサさんが傍らに座る。

アリサさんが、

「映像みたは、…辛いよね。」

ぼくは、深いため息と一緒に、

「あぁ…」

と、一言いった。


リナの映像は、病室で撮られている。

リナは、優しく物悲しい雰囲気で語り始めた。

「カズくんが、この映像をみてるなら…私…死んじゃたんだね。

カズ君、辛い思いさせちゃたね。

それと、身体の事…カズ君に隠しててゴメンね。

もし、話たら。

カズ君は、子供の命より私の命を選ぶと思ったから。

私はね、この命を産み落としてあげたいの。

カズ君の子供が産みたいの。

例え、私の命と引き換えでも。

でも、自己中で傲慢な考えだよね。

私が死んだら…悲しみと、子供達の事で、身も心もがんじがらめにしてしまう。

分かってる。

でも、産みたいの。

カズ君の子を。

私とカズ君の子を。

あなたの、心に育てられる子供達を見てたかった。

でも、私…死んじゃたんだね。

だから…

カズ君…もう…私の事で悲しまないで。

死んだら、何もしてあげられない。

寄り添ってあげられない。

抱きしめてあげられない。

悲しい時、辛い時、話聞いてあげられない。

あなたの頬を伝う涙…拭き取ってあげられない。

カズ君に、何もしてあげられない。

だから、私の事は…もういいよ。

子供達の事だけで十分だよ。

本当にゴメンね。

カズ君を一人にして。

最後に、私の願いを聞いて。

カズ君と、娘達を優しく包みこんでくれてる人が、居るでしょ。

その人を私以上に愛してあげて。

お願い。」

画面の中で、僕の声が聞こえる。

「あ!何か隠したでしょ。リナ何かくしたのさ?」

「何でもないよ…何でないって…」

そのやり取りで、映像は終わってた。

何とも言えない、涙が頬を伝う。

ふと、後ろから子供達の声が。

「パパ、その人、誰?」

アリサさんは、静かに言葉を選び話し始めた。