排便 | 300字で切り取る世間

排便

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 大を排便するときの快感は独特である。性的快感とは違って、嗜癖的な香りのしない爽やかな快感だ。夏目漱石もあるエッセイの中で「排便ってキモチイー」みたいなことを真面目に語っているくらいである。

 排便の旨みを存分に味わうために必要なもの、それはガマンだ。私など、家の中であればもよおしてから30分はガマンする。溜め込んだ末の放出は、神とリンクするかのごとき感覚を体験できる。

 何事においてもガマンって生活におけるアクセントになる。粗食した後のごちそう、節約した後の散財。どれも解放的で気持ち良い。少し視点をずらすと、日常に隠されている気持ち良さ、楽しさが結構見えてくるものです。

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