宝暦2年(1752年)創業の大七酒造は、生酛造り一筋に歩んできた第一人者だ。

 

 

ところで「生酛造り」とは何ぞや?

日本酒の製法用語の一つで、現存する酒造りの技法の中でもっとも伝統的な造り方で、「生酛造り」の仕込みは、自然の乳酸菌をゆっくり成長させて醸す醸造法。

一般的な速醸造(そくじょうぞう)に比べて数倍の手間と重労働を必要とするため、一時期、ほとんど蔵元で行なわれなくなったが、近年は伝統的な技法が再評価され、ふたたび脚光を浴びつつあるようだ🎵
 
 
「生酛造り」を端的にいえば、「酒母を手作業で造る製法」。

酒母とは、蒸した米と水に麹、酵母、乳酸菌を加えたもので、この酒母が日本酒の原型である醪(もろみ)のベースとなる。
酒母は、糖をアルコールに変える酵母の集合体のようなものだが、酵母とともに重要となるのが乳酸菌の存在なのだ⁉️
 
 
乳酸菌から生まれる乳酸には、日本酒造りに必要のない雑菌を死滅させる役割があり、乳酸が入っていない酒母は雑菌によって侵食され、やがて腐ってしまう。
酒母において、いわば酵母と乳酸は二人三脚で役割を果たしている⁉️
 
 
現在の日本酒造りは、ほとんど人工の乳酸を使用しているが、「生酛造り」では乳酸も蔵付きなどの自然の乳酸菌を培養し手作業で造る。人工の乳酸を使った酒母を「速醸酛(そくじょうもと)」、天然の乳酸を使った酒母を「生酛(きもと)」と呼ぶそうだ。

「生酛造り」においては、菌や酵母の生存競争が長く行われるぶん、生き残った酵母たちの生命力が強い。吟醸造りの低温環境においても最後までしっかりと良い仕事をしてくれているようだ🎵

また、醗酵中の死滅率が他の方法で培養された酵母より低く、死滅した酵母から溶け出す余分なアミノ酸も少なくなり、きめ細かで豊かな味わいを生み、熟成させても腰が崩れない酒となるそうだ。🍶

とても良い勉強になりましたわ(笑)