うさたの倉庫 -17ページ目

うさたの倉庫

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「寒そうで、ほっとけなくなる…」
自分の素直な気持ちを思わず口にしたのに、

「ご、ごめんなさい。お医者さんに心配かけてしまいましたね、気を付けます」

返ってきたのは、職業故の気遣いへの返礼。

医者だから、あなたを心配しているわけではなく…。もどかしい自分の気持ちに苦しくなる。



他愛ない話を彼とする。
くふふ…と、不思議な可愛らしさで笑う。

ずっとこして、この笑顔を、この声を聞いていたい。



駅に着き、電車を待ちながら
問題も解らない答えを探す。


これで別れて良いのか?

仮に次に会った時、
彼は彼のままなのか?

出逢いは人を変える。
今の私のように…。

そして傲慢にも、
私の知らないところで、あなたが変わる事を望まない自分に気づいてしまった。


もっと今のあなたを知りたい。


別れの握手をして、手を離す…。

指先が離れた時に、それすらも堪えられず手を握りなおした。


「長野へ、一緒に行きませんか?」

「え!?」

「私は…、まだあなたと話がしたい…」


「あ、…」

「嫌…だろうか?」





「嫌、では…ないです」

うつむきながら、
赤くなる耳と、
小さく聞こえたその返事に、



確認もとらず、


私は強引にヤマモトさんの手をとってホームへと歩き出した。