リ オ の夜(前) | うさたの倉庫

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ドアを開けて、部屋のライトをつけるのも億劫だ。


地 球の裏側に着いてすぐの放送、
打ち合わせ放送取材観戦取材取取材…

熱狂と歓声は慣れているとはいえ種類が違う。

興 奮、狂 騒、狂 乱。

世界の縮図の中に嵌められたように、
俺は自分の矮小さを感じながら
気持ちだけはメ ディアの日 本代表として取材をする。


息つく暇もない充実感。
世界の情報がここで、俺の目の前で動いている。

アドレナリンはでっぱなしで
頭は恐ろしいほどクリアに働くのに、


残念ながら身体は休息を欲し、ベッドへと倒れこんだ。



シャワーは朝にしよう…

もう、指一本動かしたくない。








空調が切れたのか、
冬とはいえ熱帯の暑さが肌を汗ばませる。

空調を確かめるのも面倒…、


このまま寝てしまいたい。






「…ちゃ、ん…」

ギシッとベッ ドを軋ませ俺を覗きこむ人の気配。


暗闇に、疲れて目もあかない。

だけど怖くはなくて、
伸ばした手に触れる肌の感触が雅紀だと確信させる。

「雅…紀?」

無意識に引き寄せた腰に、
雅紀の顔が近づく気配。

「くふふ…」
聞きなれた軽やかな笑い声が鼓膜を震わす…
見えなくても解る細く長い指先が、
俺の額に張りついた髪を横に流し、

柔らかな唇が押し当てられた。

それだけで…何かが溶けるように身体の力が抜ける。

「雅紀…」

そのまま鼻先をあまく噛まれ、
唇に…

ちゅ、…くちゅ…

渇いた口 内を潤すように、
互いの唾 液が絡み合う。

「は…ぁ」



あぁ…これは夢だ。

いるはずもない、今、一番欲しい人。