BSのNHK教養番組「英雄たちの選択」で、伊藤博文が大日本帝国憲法(明治憲法)の草案を作るにあたり、たいへん苦労したことを取り上げていました。
<左から 瀧井一博、萱野稔人、赤坂真理、南野森>
もう一回再放送がありますので、明治以降の憲法というものを一から学びたい方にとっては必見の番組です。
私は以前から録画視聴していますので昨年見たはずなのですが、内容はすっかり忘却の彼方…。(汗
NHK制作ですから、左翼がかった締めくくりとなっていますけれども、一見の値打ちがあると思います。
初回放送 2015年2月12日
再放送 2016年2月11日(木)20:00
再放送 2016年2月18日(木)08:00
YouTube には『英雄たちの選択』が数多くアップされています。
しかしこの伊藤博文の回は人気が無かったのか、検索しても見つけることはできません。
来週の再放送を見逃したらNHKオンデマンドでアップされるのを待つしかないようです。
(現在は先週放映分の「北里柴三郎」がアップ中)
◇ ◇ ◇
ところで明治時代の征韓論というのは、単純に不平士族による西南戦争の端緒と理解していましたが、これは私の誤解でした。
明治新政府が新たに新政府発足の通知と国交を結ぶべく李氏朝鮮に外交文書を持参したところ『“皇”という文字を使うことは無礼だ』と拒否されたり、その後も我が日本国を『夷狄・禽獣』と貶めたり、とにかく李氏朝鮮の態度は元武士の外交官なら怒って当然。
まったくもって朝鮮半島の国家は昔からこうなんですね…。
この征韓論から明治6年政変(西郷隆盛・板垣退助が下野)となり、西南戦争や自由民権運動へと移って行きます。
“民撰議院を設立せよ”という自由民権運動・板垣のシンパである参議・大隈重信(イギリス風・議会中心主義)や官僚・井上毅(ドイツ風、天皇に大権)の憲法案が立て続けに上申される中、伊藤博文は“イギリス風が理想だが、国民はまだまだそこまで成熟していない”と悩み苦しみます。
この、伊藤博文のオリジナル憲法案が生み出される過程がこの番組の一番重要なところです。是非ご視聴下さい。
◇ ◇ ◇
今年7月にある参院選で、安倍首相は“憲法改正を争点にする”と発表しています。
私は改憲派ですので、戦後初の憲法改正国民投票に至れば、これほど嬉しいことはありません。
1945年8月14日、ポツダム宣言を受諾して日本は敗戦国となりました。しかし、戦勝国は次に示す通り敗戦国の憲法や法律を変えてはいけないんです。
ハーグ陸戦条約 第43条:国の権力が事実上占領者の手に移った上は、占領者は絶対的な支障がない限り、占領地の現行法律を尊重して、なるべく公共の秩序及び生活を回復確保する為、施せる一切の手段を尽くさなければならない。
つまり勝手に大日本帝国憲法を変更したことは国際条約違反なんです。
この1点だけでも、GHQ(占領軍)が押しつけた新憲法を独立後の早期に破棄しなければならなかったと思います。
それと、一昨年もブログに書きましたが憲法前文の『平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した』、この諸国民ってどこの国ですか?
もし日本の周辺国のことなら、ヤクザかチンピラみたいな国家ばかりですよ。
この憲法前文も時代に合わせて変更しなければなりません。
日本国憲法前文
(前略)日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。
われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。
われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。(後略)
もちろん憲法9条も、国連憲章に基づいた自衛権を明示する内容に変えなければなりませんし、憲法89条の『私立学校へ公金を拠出してはならない』という条項も現状に応じた内容に変更する必要があると思います。
◇ ◇ ◇
伊藤博文
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%8A%E8%97%A4%E5%8D%9A%E6%96%87
征韓論
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BE%81%E9%9F%93%E8%AB%96
板垣退助
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%BF%E5%9E%A3%E9%80%80%E5%8A%A9
明治6年政変
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%98%8E%E6%B2%BB%E5%85%AD%E5%B9%B4%E6%94%BF%E5%A4%89
自由民権運動
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E7%94%B1%E6%B0%91%E6%A8%A9%E9%81%8B%E5%8B%95
ハーグ陸戦条約 (日本は1911年に批准)