認知症予防・治療の最先端情報です。
【基本情報】
認知症
とは病名ではなく状態を示す言葉で、一度発症すると元の状態に戻ることはない(NPH
以外)。発症すると悪化する一方である。
それゆえ予防が肝心。
認知症をもたらす病気は、アルツハイマー病 が67.6%。血管性認知症が19.5%。
アルツハイマー病の場合、発症の20年以上前からアミロイドβ(ベータ)という老廃物が脳に溜まり始め(老人斑)、発症の10年前から海馬
が萎縮を始める。
血管性認知症とは脳梗塞・脳内出血などいわゆる脳卒中の後遺症である。
この他、幻視が特徴的症状であるレビー小体型認知症 や、手術で完治できるNPH(正常圧水頭症) による認知症などがある。
日本では認知症の患者が最近急増しており、厚労省最新推計によると現在462万人の患者がいるとされている。
認知症の疑いがあればすぐ病院へ!
【参考リンク】
1.国際アルツハイマー病協会が最近発表した情報アルツハイマー病を予防するには…
40歳以上:禁煙すること、糖尿病を治療すること、高血圧を治療すること
2.日本での調査結果(1988年~継続中、福岡県久山町)
糖尿病患者は認知症リスクが2倍
喫煙者は認知症リスクが3倍
禁煙した人は1.6倍~1.9倍
40代50代からの高血圧患者は血管性認知症のリスクが10倍
老齢からの高血圧患者は血管性認知症のリスクが5倍
3.運動と認知症
週3回、30分から40分息が弾む程度の速さで歩くと脳の海馬
が大きくなり、認知症の予防になる。
速く歩けない人(時速3.5km、分速58m以下)は認知症の予備軍、時速2.2km(分速36m)以下ならば認知症が疑われる。
速く歩けない人が速く歩くように努力することは認知症を抑制する効果がある。
4.睡眠とアミロイドβ
睡眠中にアミロイドβが分解排出されるので、睡眠不足だとアミロイドβが溜まってしまう。
また、睡眠は記憶の定着に不可欠である。
5.食事と認知症
和食中心で牛乳を摂る食生活だと認知症リスクが2/3になる。
牛乳は1日に150cc以上でOK。
6.アルツハイマー病をインスリンで治療!
アメリカで現在試験中。
糖が不足している脳細胞に糖の取り込みを促進させることを目的として、患者の鼻孔にインスリン
を噴霧する。
アルツハイマー病の予防、あるいは進行をくい止められるかも。
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この記事は1/16NHK Eテレ『チョイス@病気になったとき・
認知症スペシャル』を中心に「ねこのひたい」が加筆してまとめたものです。
http://www.nhk.or.jp/kenko/choice/archives/2015/01/0110.html
私は今回の内容の中で、喫煙者のアルツハイマー病リスクが非喫煙者の2.7倍となっていることに驚きました。
喫煙と脳卒中(血管性認知症)に強い関連があるのは当然ですが…。
禁煙を始めて1ヶ月、でも未だ毎日のようにタバコが欲しくなります。