今日は健康情報です。
まずは膵臓の基本情報から。
膵臓が分泌する物質は大雑把に分けると3種類になります。
1.食物の消化酵素
2.胃液を中和するアルカリ性分泌液
3.血糖を低下させるインスリン
この膵臓が正常に働かなくなったときに「膵炎」という病名になります。
急性膵炎は鳩尾(みぞおち)のあたりや、その背中側に急激な痛みが出て、歩けないほどになります。
救急搬送されても、ただの腹痛と誤診されることがありますので、本人や身内の方は膵炎の検査を要望して下さい。
慢性膵炎は、急性膵炎を繰り返した場合や、自覚症状がほとんど無いまま進行することがあり、膵臓の機能停止から、膵臓がんに至ります。
この恐ろしい膵炎の原因一番手は、アルコールを絶え間なく摂る習慣と脂肪分の多い食事。
過度なアルコール摂取は、膵液出口を狭くしてしまいますし、脂肪分の摂取は膵液をたくさん産生させてしまいます。
原因その二は、胆石が膵液の出口をふさぐことです。
(胆汁と膵液は、最終的に同じ管で十二指腸に出て行きます)
いずれも、分泌された膵液が十二指腸に排出されず、自身の膵臓を溶かす結果を招きます。
急性膵炎になったら、とにかく膵臓を休ませることが一番の治療法になりますので、食物・水分を口から摂取することは禁じられます。
入院して、生命維持に必要な栄養や水分は点滴で身体に取り入れます。
慢性膵炎になったら、膵臓は死んでしまっているので(線維化)、食物の消化に必要な膵液も血糖を下げるインスリンも出なくなっています。
つまり毎食後に消化剤を飲む、インスリンを毎日注射する生活(糖尿病)となり、常に膵臓がんを心配しなければなりません。
もちろんアルコール摂取は厳禁となります。膵臓がんの引き金になりますので。
この恐ろしい病気を見つけるにはエコー(超音波)検査が有効です。確定診断はCTまたはMRI。
健康診断や人間ドックでエコーが選べるのなら、僅かな出費で済みますから是非受診したいものです。
予防は過度なアルコール摂取をしないことに尽きます。
アルコールを毎日のように飲むご同輩は「アルコールが悪影響を及ぼすのは肝臓だけではない」ということをお忘れなく!
上記はNHK Eテレ「チョイス」再放送分(7/11) を視聴して、その内容をまとめたものです。
(おまけ)
いわゆる休肝日とは、前回アルコール摂取時刻から48時間にわたってアルコールを飲まない状況のことです。
お酒が強い人でも毎週1~2回休肝日を作ること、1回に飲む量を1.6㍑(ビール換算)までに抑えることが肝臓・膵臓を傷めない飲み方です。