前回紹介しました陽子線・重粒子線ガン治療と、これまでの放射線治療についての違いを簡単に説明します。


従来の放射線治療ではX線や中性子線などを用い、体表近辺で線量が100%、体表から奥に行くに従って、なだらかに線量が減衰します。

体表から20cm奥でX線の場合は約50%、中性子線では約25%の線量となります。


しかし陽子線を使うと、体表では60%、8cmの深さで線量が100%に達し、そのまま深さ12cmまで線量が落ちず、12cmのあたりでストーンと急激に減衰し12.5cmでは線量がゼロになります。
(重粒子線でも同様の傾向)


ですから陽子線・重粒子線ガン治療ではピンポイントにガン細胞をやっつける効果が期待できるわけです。

さらに、重粒子線は細胞を破壊する力が強く、X線・中性子線・陽子線の2倍以上の威力があります。


前回お伝えした施設数は情報が古く、現在では陽子線治療は8施設、重粒子線治療は4施設あります。


関連情報

放射線医学総合研究所《重粒子線がん治療について》
http://www.nirs.go.jp/info/report/pamphlet/pdf/gentle-medical.pdf