「僕はイエス様が嫌い」2019年5月公開
監督: 奥山大志
出演者:佐藤結良、大熊理樹、チャド・マレーン、佐伯日菜子
映画を見に行ったときにそこに置いてあったフライヤーで知った作品。
タイトルに衝撃を受けた。
嫌いって、、、一体何があったんだろう。
物語は、雪深い田舎に住む祖母と一緒に暮らすために一家3人が東京から越してくるところからはじまる。
キリスト教の小学校に転校してくる由良くん。
教室にかかっている十字架や礼拝堂の神父さまのいでたちからカトリック系の学校だと思っていたけど、プロテスタントの設定だったらしい。
*******
小学5年生のごく普通の小学校しか知らなかった由良はミッションスクールの生活に戸惑っている。
校長先生からもらう聖句カードのイエス様を誰か知らず、祖母に神様だよと教えられる。
学校ではいつもいつも事あるごとに礼拝して祈っていることを思い神様にお願いごとをする。
すると目の前に小さな小さなイエス様(チャド・マレーン)が現れる。
「友達ができますように」
「お金をください」
クリスチャンでない彼が祈る願いはなんとも微笑ましい。
あるあるだ。
こんなお願いがこのストーリーでは全て叶ってしまう。
由良に見えるイエス様。
このイエス様がなんとも可笑しい。
レコードの上を走っていたり、トントン相撲をしていたり、とにかく動く。
動いて動いて神聖さがみじんも感じられない。
しかも俗世的なお願いも叶える。
こんな都合のいいイエス様なのに、タイトルは「嫌い」
毎日友達の和馬とは楽しく過ごしていたが、ある日下校途中で和馬は交通事故にあい入院してしまう。
面会不可能なのだけど、由良はイエス様にお願いして病院に連れて行ってもらう。
和馬の病室に入ると、ふわっと消えてしまうイエス様。
イエス様が消えてしまった事には気づかない由良。
その後まったく姿を現してくれないイエス様。
ある日教室の和馬の机の上には献花が飾れ亡くなったことが分かる。
学校のお別れの会で、由良は和馬宛てに手紙を読むのとお祈りをする役になる。
和馬との日々をつづった手紙を読み終え、お祈りをする段階でようやくイエス様が現れる。
由良はそのイエス様をこぶしでたたきつぶしてしまう。
2人の出会いから、楽しかった日々を回想したシーンで映画は終わる。
**********
75分の短い映画だったけどとても良かった。
私の語彙力ではうまく表せないのが残念。
題名にイエス様と入っているけど宗教映画でもなく。
世俗的なお願いは簡単に叶ってしまうのに、本当に心から叶えて欲しい時には現れない
そんな切ない場面も暗くならずさらりと表現されていた。
なんといっても、この子役の2人が本当にすばらしい。
演技してるの?と思う。 まるで普通に生活して遊んでいる2人をドキュメンタリーで撮っているような自然さ。
映画を見た後で調べたところ、監督さんは子役の子に脚本を渡さずその場でシーンを伝えただけで演じてもらうという方法だったらしい。
イエス様役のチャド・マレーンさん。
私はこの方を知らなかったのだけど、吉本の芸人さんなんだね。
宗教映画だとこの役は厳かな感じの方が演じられてるけど、チャドさんのイエス様は、とにかく笑える。
ちょっとおちょくっている感じもあり、でもストーリーの邪魔にはならないこの絶妙な匙加減が良い。
そして、しょっちゅう現れる家族の食卓シーン。
テーブルに並ぶおいしそうな食事は監督さんのお母さんが作ったらしい。
家族総出な映画。
すごく若い22歳の監督さんが作った作品らしく、予算も少なかったのかな。
大がかりなセットは何もないけど、心に残る作品でした。
この映画、宣伝しているのも知らなかったし、フライヤーを見なかったら多分見つける事の出来なかった映画だけど、見て良かった。
今まで見た映画の中で一番すきかも。
追記:参考インタビュー動画
「僕はイエス様が嫌い」奥山監督、演出方法を明かす 伊藤さとりの【映画が好きすぎてvol.52】