私にすれば毎日キッチンとバスルームに行く度、汚れた場面に我慢するか掃除するかの選択を強いられていたから、ルームメートPBさんの苺やヘアーアイロンやシャンプーボトルに対する抗議内容は些細な事に思われたけど、こちらの不満は話したことがないから向こうの知ったことじゃない。

 

 

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PBさんの抗議に理由を述べたし、謝りも述べたんだけど、PBさんの態度は頑なだった。それでも私にはPBさんは月曜の朝出勤前に一方的にわめく人だとは思えなかった。最近とがってたようだけど、何か他にいやなことがあって、八つ当たりでもしてるんだろうか。 

 

PBさんはその数週間前、職場で行われた人種差別セミナーに眼を開かれ、自分たちの住む地域ではサンフランシスコでもとりわけいろいろな人種が住んでいることを誇りに思うとも言っていた。そう思える白人なら、そのうち人は皆行動パターンが違って当たり前で怒鳴ることはなかったと気づくのだろう、と私は思った。 

その反面、反対材料も思い起こせた。

PBさんが独立記念日の祭日に実家に帰る計画を立てた時のこと。PBさんの元寝室であるベットルームをPBさんの姉が招いた姉の夫家族に盗られそうになり、憤慨してわめき散らして、相手方家族の旅行日程を変更させた、とPBさんは自慢げに言っていた。

私なら2,3泊ぐらいソファで寝て姉家族に寝室を提供したって構わないと思うけど、アメリカ人だからか末っ子だからか、譲らないんだなあ、と権力主義的な片親に育てられた一人っ子の私は妙に感心して聞いた話。後になってみるとそんなPBさんの行動は謙譲心がなくゴリ押しが彼女の戦法と判断すべきだろうか。 

PBさんに面と向かって聞きたい気持ちを抑えて、PBさんが[実は他所でいやなことがあったから、あたってごめんね]といってくるのを待っていた私だったけど、1週間たち、2週間たっても何も言ってこないばかりか、こちらから「ハーイ」と挨拶しないとアパート内でも無言で傍を通り過ぎる。

PBさんがいちご事件でぷっつんと切れる以前に一緒に予約を入れた乗馬体験の日程が近づいていた。こんな状況でPBさんと私が運転する車で長旅して乗馬体験しに行くなんてごめんだわ、と思っていた矢先に当該牧場から日付を変更して欲しい、との連絡。 

 

私はこの機会にPBさんの予約分を買い取ろうと申し出た。

 

PBさんはそれはとっても残念だわ、などと言い出し、未だに私と乗馬して丸一日過ごすことを望んでいた様子だったけれど、なんとかPBさんの予約を買い取った。  
 

 

その後のPBさんは相変わらず他人の食器や台所、風呂場は尊重しない毎日。おまけに猫君をドアを閉じた彼女の室内で可愛がっているようで、締め出されたもう一匹の猫姫は何か損をしているかのように、にゃあにゃあと私に文句を言にくる。それが何度か重なり、しかし話をするのはうざいので、「猫君は猫姫の遊び相手だから、猫達はドアの開け放したところで行き来できるようにして下さい。」とメモを書いておいておく。  

PBさんの無言攻撃をこちらも無視する日々が重なって週になり、それにしたってPBさんがこんな頑固で後片付けのできない人だとは思わなかった、と自分の人を見る眼を疑うようになる。 

そんなこんなでひと月が過ぎたころ、PBさんの使ったスプーンが流しに3日間放置されていた。私は水分補給にキッチンには来るけれど自炊する暇がなかったので、PBさんが使って放置した汚れたスプーンがそのまま放置されていたってこと。 

If you won't clean the utensils, please use plastic ones and trash them. 
と紙切れに書いておく。お持ち帰り用についてくるプラスチック、私はいりませんって断ってるけど、そういうの溜まった引き出しがあるからね。

夕刻帰宅してみると、その紙の裏には、 
「私の契約は来月月末までだけど、それより早く出てゆきたい。」と書いてある。では、と 
「ではこれを本日20日付けの一ヶ月先退去予告として、来月20日に出てゆくとみなします。」と書置きすると、「日割りで計算して自分の住んでる日にち分だけ支払いたい。」と書いてくる。 日割りは当然いいんですけど、来月20日って合意したのかな。

その次の夕方に相変わらず無言で通り過ぎようとするところを捕まえて、 
Have you decided on a moving date?

と聞くと、No, と言ってまた日割りで計算して自分の住んでる日数だけ支払いたい、と繰り返す。 
「それではリース契約を取り交わした意味がないよ。とりあえず20日まで支払ってもらって、20日以前にあなたが出て、次のルームメートが入ったら、重複分はお返ししますけど」というと、じゃあ20日まで残るという。そしてその2日後、やはりリース契約どおり9月末まで残ると言いにきた。 

もういくつ寝ると、お正月、って感じだなあ。。と私はことの進展を思い返す。新しい友達としてお付き合いするのかと思ったけど、それぞれ互いに不満を持つことになってPBさんとが出てゆくことになり嬉しく思う私が存在する、複雑な気持ち。

 

つづく。

 

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