トヨタの決算について | 二段波動研究会(http://2wt.jp)

トヨタの決算について

先週の金曜日にトヨタの決算が発表されましたが、その中で2010年の予想が営業収益で8500億円の赤字予想を会社の見通しとして出してきました。


この赤字見通しの大きな要因は過剰な設備投資にあります。一般にトヨタの会社イメージは自動車会社ということはもちろんですが、それ以上トヨタ銀行とでもいうべき莫大な利益余剰金を有した会社というイメージも一方でありました。しかしここ数年の世界市場の拡大から大きな設備投資を行い、他方で有利子負債も12兆円以上とほぼ利益余剰金に匹敵するくらいまで上がってきています。


世界に誇ったカンバン方式での徹底的な在庫管理がいつもまにかおろそかになり、昨年からの世界景気の鈍化を読み切れず過剰な投資を行った結果、在庫の大きな積みあがりを何故予測することができなかったのか。これはひとえに巨大になりすぎた企業の宿命があったのではと思います。世界のシェア争いをGMとやってきたトヨタがようやく1位に躍り出た時、他の自動車メーカーは全く違う戦略を取り始めていたことをようやく気がついたことが今回の営業収益予測にあらわれているかもしれません。


おそらくトヨタの本音はこういう非常に保守的な予想を出すことで、企業内部の引き締めを行い危機意識を過剰に煽っている面がどうも見え見えのような気がしますが、この奢りこそが将来のトヨタの運命を決定づけるような不安要素が広がってきているような気がしてなりません。 当然トヨタの役員全部はこの予想は半期で上方修正されるものと思っていると思います。本当にこの予想が当たるなら十分にトヨタもGMとおなじ運命を辿る資格あるように思えます。


いかに官制指導でHV車の販売に力を入れているとはいっても、エンジン部品メーカーや変速機メーカの業態変更が遅れ、EV車が市場の中心になってきた時になって初めてEV車生産に転換しても、先行する新GMや中国国内の自動車メーカーがEV車で先行している限り、HV車を中心とした過剰設備投資の負担がトヨタの致命傷となる可能性もありえます。


折しも米国では、クライスラーが破綻し、GMも破綻の瀬戸際に立たされています。これからのトヨタが大艦巨砲主義をいつ捨てることができるのか、言いかえれば自動車はエンジンで動くものとの認識を捨てることができるのかが、トヨタが世界一の地位を保つことができる条件になっているのではないでしょうか。


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