一度も病室に泊まることがなかった。
その日がいつくるのか分からない中で看護師さんに泊まられますか?何時までおられますか?と聞かれる度についていなければまるで犯罪者か何かのように思われているのか?と不安と同時にストレスにもなりました。
きっとそんな事は思っていないのに、自分の行動がダメなんじゃないかと何か言われてるんじゃないかと被害妄想的な事を考えていました。
金曜日いつもの、様に朝病室へ行くと窓が開いていました。
すぐに開いている理由が分かりました、匂いです。
なんとも、言えない匂い。
私はそのまま窓を閉めずにいました。
静かに落ち着いたその状態は疲れ切っているからなのだと思いました。
丸3日寝ていないのですから。
病室に入ったら時に主人と目が合いました。
痙攣後あまり目が合うことがありませんでしたからなんだか嬉しかったです。
意思疎通が困難なりましたが、まだ私の事は理解している様に思いました。
今日はベテラン看護師さんが担当です。
どの看護師さんも、とても親切で(旧病院では考えられない)信頼しておりましたが、中でも絶大に信頼していた看護師さんは3名、その中の1人でした。
朝から主人の呼吸の仕方に異変がある事に気が付いていました。下顎呼吸‥
看護師さんも、その姿を見て今日はゆっくり側にいてあげて、二人の時間を大切にして下さいね。
余り時間がないかもと。
それでも、体を拭いてもらい着替えを済ませ洗髪もして頂きました。シーツ交換もありました。
その時はとても静かに静か過ぎてその時が私には分からなかったです。
看護師さんが気がつき先生に診察してもらいますね。それまで側にいてあげてね、娘さん呼んであげる?診察が終わってからにする?
そう、既に間に合わないのです。
昨夜娘には会いましたから、診察が終わってから連絡しますと伝えました。
まだ温かいお父さん、驚くほど苦しまずに旅立ちました。
夜中じゃなく、私が付き添っている間にちゃんと待っててくれました。
「お父さん、ありがとう。お疲れ様でした」