彼女の両親に結婚の正式な挨拶に行く 老舗和菓子屋の三段重の菓子折りを武器に 彼女のお父さんが用意した場所は江戸時代から続く老舗の蕎麦屋さん 『結婚の挨拶はここで受ける』と決めていたとか… 場所と雰囲気に完全にのまれ ガチガチに緊張しながらも口上を述べて結婚のお許しをもらう
形式的なものでいちおうのけじめとしてだったけど緊張したな…
『じゃあ話も終わったし 食べようか!!』なんて…ホッとしたのもつかの間
ふと視線を移すと
お父さんの小指の先っちょ…
先っちょが見当たらない…
『ん?あれー?そんなこと全然聞いてないよ!? なんでなんで??言われみれば雰囲気はちょっとコワイ系に見えなくもない…聞いてないよー!?』いまさらその場でコトの真偽を確かめることもできず…『乗りかかった船だいってまえ!』と飛び乗ったのだ
あのとき喉を通らず無理やり押し込んだ蕎麦懐石の味は全く僕の舌に記憶されることはなかった
その後こっそりかつ真剣に『お父さんの小指無かったんやけど…』と彼女に聞いた 彼女は笑いながら『言ってなかったっけ?』『昔サクラ組辞める時に指つめたんよ』『シーソーで』
ん?
…真相は幼稚園のときシーソーで遊んでて小指の先っちょを切断してしまったらしい…
そういうの早く言ってよ 気づくタイミング悪すぎだって…笑い話で済んで良かったけど(笑)
でもあながちズレた話でもなくて…お父さんの幼なじみの金融業の方に酒の席に呼ばれて『嫁さん泣かせたら俺が承知せんぞ』と強く激励されたこともありましたから…
そんなお父さんとは毎週のように酒を酌み交す飲み友達のような関係です