前にも書きましたが、このグレン・グールドのゴールドベルグ変奏曲が秀逸です。何度も聞いています。若い時の演奏もYouTubeで聴きましたが、晩年の演奏がルックスは好みでないですが、抜群に良いのです。亡くなる前年に再演奏録音したのが秀逸なんです。演奏中にグールドは唸ったりしています。それも聞えます。グールドは42年前に50歳で亡くなりました。変人そのものです。コンサートで聴衆が集まってもなかなか弾かなかったもした。そして一切のステージ活動を中止して録音に専念した。

この晩年の演奏のためにピアノの弦は短くしたのでは?という噂もあるのですが、素晴らしい演奏です。初めはまるでたどたどしいようなタッチで、途中から突然華麗な演奏になるのです。その変わり目がまるで人の感情に起伏のようでビビッドです。こんな演奏が出来るピアニストはそうそういない。演奏に感情が籠もり、それが音を通して聴く人の心に響く。こんな天才ピアニストが再び出て来ることを祈ろうと思うほどです。