言葉にできない卒業式を終えた夜ひとり息子が突然いなくなった。息子が生まれた時からは、毎日が奇蹟で幸せだった。「どうして草木や花は、枯れなければいけないの?」と母親似の優し過ぎる心を持っていた。そして、私はまた、ひとりになってしまった。直ぐに警察へ捜索願いを出し、時間が許す限りは、状況を聴きに行った。探偵事務所にも捜査依頼をしたが、何も手掛かりを掴むことができなかった。途方に暮れたまま、私も歳を重ねた。数年後、突然、息子が帰ってきた。いや、娘となって帰ってきた。「お父さん、、、ただいま」「おかえり」私は娘となって帰ってきた我が子に亡き妻の面影を感じつつも生きて帰ってきてくれたことに言葉にできないくらいの感謝をした。おしまい