「ビジネスに私情を持ち込むな! 客観的になれ」
前の会社の上司の教え。
決して間違っていない。「成果主義」だの「実力社会」という中ではむしろ正解でしょう。確か入社して2年目。初めて聞いた時は驚きました。でもそれ以来、仕事において、嫌な人でもドライに接することもできるようになりました。気が合う人も深追いをしなくなりました。結果、仕事がうまく転がせるようになって行きました。
前の会社は技術派遣・請負会社です。「人様の会社の仕事をこなす・手伝う」それだけ。色んな会社の色んな人に出会いました。中には公私共によくなった人もいます。でも、業務完了という契約と共にその人たちの縁は無くなります。それ以上の関係は『派遣法』や『契約条件』によって制限されます。
そして、今の会社。「メーカー」です。逆に雇う側。
先日、実験室に立ち寄った際、いつも仲のよい請負会社さん(若い男性さんとボクと歳が変わらない女性さん)のところへちょっかいを出しに立ち寄った。でもなにやらPCを片付けている。「なんで?」聞いて見ると。
請負さん:「ボクたち来月から、自社に戻ることになりました。」
私:「え!?」
そんな話きいていない。。。寝耳に水。。。です。
請負さん:「今の仕事のメドがたったので、自社作業になりました。」
私:「そ、、、そうですか。」
唐突すぎて言葉が思いつかない。
いっつも気兼ねなく話し掛けてくれた二人。自分達の会社には決して喋る事のできない話、愚痴、プライベートなことを話してくれました。客先のボクを意識せず、同僚のように、、、、、本当に嬉しかった。楽しかった。でも、それなのに。来月からココにはいない、、、。
最後にボクは、、、
私:「また、一緒に仕事ができればよいですね。その時はまた力を貸してください。よろしくお願いします。本当にご苦労様です。」
立場上、精一杯の言葉。正直、『寂しかった・辛かった』。でも彼らはそう思っていない。人の会社で作業をする。それが普通なんだもん。1年前までその立場だったボクには分かる。ボクは彼らを仲間と思っても、彼らにとってボクは客先のひとりにすぎない。
うちの社員達はきっと「寂しい」とは思わないだろう。ちゃんとした納品物や成果物だけあればよいのだから。。。いつか、きっとボクもそうなっていく。なりたくないけど、なっていくに違いない。
「ビジネスに私情を持ち込むな! 客観的になれ」
元上司。今となってはあなたから授かった言葉はボクには重いです。この先、守り通せるか不安です。でも今できる事は、また彼らと仕事ができように新しい仕事を見つける・立ち上げる事ではないかと感じております。それは間違いでしょうか?